コード進行 / おざしん
おざしんコード進行100
書籍『コード進行100』第3章「使えるコード進行例100」のインデックス。始まりの度数で分けられた100本を、キーを変えながら具体音で鳴らせます。
100件
素直でゆるやかなゆったり進行
用途:Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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とてもシンプルな、上がって下がる進行/繰り返して使用可能
原本の具体例:Ⅰ・Ⅱm・Ⅲm・Ⅱm(C・Dm・Em・Dm)
ポイント
- 素直で明るい Ⅰ から順次進行で Ⅲm まで上がり、また下りてくる山型の進行。大きな跳躍がなく派手な動きがない。
- ダイアトニックコードのみで動きも単純なため、Aメロなどのゆったりした場面に向く。
- 子供っぽくなりすぎる場合は、サンプル曲のように全体をセブンスコードにすると深みが増す。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅱm-Ⅲm-Ⅱm(Key=C実音は C-Dm-Em-Dm)。ベースが ド→レ→ミ→レ と全音で上って折り返す“山型”。跳躍ゼロ・ダイアトニックのみで、緊張の出入りが最小の受動的な進行。
- Ⅲm で頂点を打って Ⅱm に戻すだけなので解決感が弱く、いくらでもループできる=Aメロの反復向き。
- 全コードを7thにすると(Dm7・Em7)ジャズ寄りの厚みが出て“子供っぽさ”が消える、という本書の指摘は Ⅱm7/Ⅲm7 が加える9th的な色による。No.2 と対:No.1 は Ⅲm で折り返す、No.2 は Ⅲm からさらに Ⅳ へ上り続ける。
参考曲
- 「すてきなホリデイ」(竹内まりや)|Aメロ(Cメジャー / Aマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ナチュラルで穏やかな進行
用途:Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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柔らかくシンプルな進行/ゆったりとした雰囲気
原本の具体例:Ⅰ・Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ(C・Dm・Em・F)
ポイント
- Ⅰ から一段ずつダイアトニックコードをなぞって上がる(Ⅰ→Ⅱm→Ⅲm→Ⅳ)形。力強い動きがなくゆったりした雰囲気。
- 派手さがないため Aメロでの使用が想定される。
- 響きがシンプルすぎる場合はセブンスコード中心でまとめると少し大人っぽくなる。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅱm-Ⅲm-Ⅳ(C-Dm-Em-F)。ベースが ド→レ→ミ→ファ と全音・半音で一直線に上昇するだけの、最も素朴な順次進行。到達点が Ⅳ(サブドミナント)なので開いたまま次へ渡せる。
- Ⅲm→Ⅳ は No.1 の折り返し(Ⅲm→Ⅱm)と違い上昇を止めないぶん前進感がある。ただしドミナントを踏まないので緊張は溜まらず、あくまで穏やか。
- 7th化すると Ⅳ が Ⅳ△7 になり浮遊感が増す。No.1 の兄弟形で、頂点を Ⅲm にするか Ⅳ まで伸ばすかだけの違い。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
明るくのんびりとした進行
用途:Aメロ・サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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ダイアトニックコードのみのシンプルな進行/可愛いイメージの曲にも使える
原本の具体例:Ⅰ・Ⅲm・Ⅳ・Ⅴ(C・Em・F・G)
ポイント
- ダイアトニックコードのみの、明るくのんびりした進行。「バレンタイン・キッス」(国生さゆり) のような可愛い印象の曲にも対応できる。
- 大きな跳躍や派手な動き・特殊なコードがないため、サビに使う場合は若干注意が必要。
- Ⅲm の部分は Ⅰ/Ⅲ(オンコード) などで代用することもあるが、雰囲気はほとんど変わらない。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ(C-Em-F-G)。上行ベース ド→ミ→ファ→ソ で、締めが Ⅴ(ドミナント)のため次へ強く進みたがる=ループ/サビの推進に向く反面、解決しないので単体では締まりにくい(本書の“サビ注意”)。
- 2つ目の Ⅲm を Ⅰ/Ⅲ(オンコード)に替えても、Ⅲ音がベースに来て C の第一転回になるだけで機能はほぼ同じ。「ハルノヒ」が実際に A/C#(Ⅰ/Ⅲ)で代用している。
- No.7(Ⅰ-Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ)と似た仲間:どちらも Ⅳ or Ⅱm→Ⅴ で戻る明るい定番。No.3 は Ⅲm 経由で上昇一直線、No.7 は Ⅵm で一瞬翳る。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ジャンルを超えて使われる定番進行
用途:どこでも・超定番
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邦楽・洋楽問わず使われる定番の進行/幅広いジャンルで使用可能
原本の具体例:Ⅰ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅳ(C・G・Am・F)
ポイント
- ダイアトニックコードのみの定番進行。邦楽・洋楽・全年代・バラードからロックまであらゆるジャンルで使える。
- 全体的に明るいが、Ⅵm による僅かな切なさが程よいスパイスになっている。
- 繰り返した際の Ⅳ→Ⅰ(頭に戻る)柔らかい動きも非常にポップ。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳ(C-G-Am-F)=世界共通の“Axis(4つのコードで全部歌える)進行”。Ⅰ→Ⅴ で明るく開き、Ⅵm(平行短調のトニック)で一瞬翳り、Ⅳ(サブドミナント)で柔らかく受ける。
- ループ時の末尾 Ⅳ→頭 Ⅰ はプラガル的(Ⅳ-Ⅰ)な柔らかい着地で、ドミナント解決ほど強く締めないためポップに回り続ける。
- No.8(Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ)と同素材・語順違い:No.4 は Ⅴ が2番目に来て早く華やぎ、No.8 は Ⅳ-Ⅴ を最後に置いて50年代ドゥーワップ的に締める。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
洋楽風ポップス進行
用途:Aメロ・サビ(洋楽風)
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少し弱々しい余韻感/定番進行からの流れで使われることが多い動き
原本の具体例:Ⅰ・Ⅴ・Ⅲm・Ⅳ(C・G・Em・F)
ポイント
- あまり J-POP では使われず、どちらかというと洋楽で使われることが多い進行。
- 終わり部分が Ⅲm・Ⅳ という弱々しい余韻感のある動きになり、やや切なく落ち着いた印象に変化する。
- 定番進行 No.4(Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳ)からこの形へ変えるパターンとして使われることが多い(Ⅵm→Ⅲm の差し替え)。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅳ(C-G-Em-F)。No.4 の Ⅵm を Ⅲm に差し替えた形。Ⅲm は Ⅰ とも Ⅴ とも2音を共有する“最も自己主張の弱いダイアトニック三和音”で、そこへ着地するため輪郭がぼやけた弱々しい余韻が出る=本書の言う洋楽的な浮遊感。
- Ⅲm→Ⅳ で終わるので相対的短調の重力(Ⅵm)を避け、明るいまま宙に浮く。No.4 が Ⅵm で“ほろ苦く”着くのに対し、No.5 は Ⅲm で“ふわっと”外す。
- 実曲では No.4 と No.5 を交互に出して差分で聴かせる(Born To Be Yours)。Ⅵm↔Ⅲm のワンコード差し替えは洋楽ポップスの常套。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
名曲を次々と生み出す「カノン進行」
用途:サビ・定番
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J-POP でよく使われる定番進行/派生バリエーションが非常に多い
原本の具体例:Ⅰ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ(C・G・Am・Em・F・C・F・G)
ポイント
- パッヘルベル「カノン」で使われるため 「カノン進行」 と呼ばれる。明るく派手で J-POP のサビでよく使われる。
- 徐々に下がっていくメロディによく合う。転回形で低音を滑らかにした形、ツーファイブを使う形、途中で別進行に分岐する形など派生が非常に多い。
- この形のまま使うことは少なく、低音の動きを整えたり後半を差し替えたりして使われることが多い。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ(C-G-Am-Em-F-C-F-G)。原型のベースは ド-シ-ラ-ソ-ファ-ミ… とほぼ順次下降(転回形 C-G/B-Am-Em/G-F-C/E-F-G で顕著)。この下りベースが哀愁と“次々つながる”推進力を生む。
- 実装では転回形で低音を整えるのが定石。「クリスマス・イブ」は E/G#(Ⅴ/Ⅶ)等のオンコードで ラ-ソ#-… と半音まで詰め、末尾を Ⅱm7-Ⅴ(ツーファイブ)にして Ⅰ へ戻す。
- 後半(Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ)は自由度が高く、「亜麻色〜」のように Ⅳm(サブドミナントマイナー)や Ⅵ7→Ⅱ7→Ⅴ7 のドミナント連鎖へ分岐して別の曲へ化ける。No.4/No.5 の Axis 系より“動く音数”が多いぶん派手。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
往年の定番進行「イチロクニーゴー」
用途:どこでも・定番
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繰り返して使用できる定番進行/明るく素直な雰囲気
原本の具体例:Ⅰ・Ⅵm・Ⅱm・Ⅴ(C・Am・Dm・G)
ポイント
- ディグリー番号から 「イチロクニーゴー」(1-6-2-5)と呼ばれる定番進行。素直で明るく、繰り返して使え、アドリブセッションでもよく使われる。
- 「定番の進行」として真っ先に紹介されがちだが、使い古されたためか近年は使用頻度が下がってきている。
- 派手さがあまりないため、使用する際は若干注意が必要。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ(C-Am-Dm-G)=いわゆる 1-6-2-5。後半の Ⅱm-Ⅴ がツーファイブで強く Ⅰ へ戻るため、循環コードとして無限にループでき、ジャズ/ドゥーワップのターンアラウンドの基本形。
- Ⅰ→Ⅵm は平行短調への滑り(2音共有)、Ⅵm→Ⅱm→Ⅴ は四度上行(=五度下行)の連鎖で推進が滑らか。“素直で明るい”が“派手さは無い”のはこの予定調和ゆえ。
- No.8(Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ)と対:3コード目が No.7=Ⅱm(ツーファイブで戻る)、No.8=Ⅳ(ただのサブドミナント)。No.3(Ⅰ-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ)とも明るい定番仲間。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
明るくスタンダードなポップス進行
用途:どこでも・定番
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明るく素直な印象の進行/繰り返しメロディが使いやすい
原本の具体例:Ⅰ・Ⅵm・Ⅳ・Ⅴ(C・Am・F・G)
ポイント
- ダイアトニックコードのみの明るく素直な進行。Ⅰ・Ⅵm・Ⅳ は近い構成音のコードが連続するため、「Baby ft. Ludacris」(Justin Bieber) のように同じメロディを繰り返すのが有効。
- 使いやすいが少し起伏に欠け、童謡やフォークソングのような牧歌的な雰囲気になりやすい。
- ドラマティックなサビには向いていない。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ(C-Am-F-G)=50年代の“ドゥーワップ進行”。Ⅰ→Ⅵm は2音共有でほぼ動かず(だから同メロを繰り返せる)、締めの Ⅳ→Ⅴ でサブドミナント→ドミナントの王道の押しを作り Ⅰ へ戻す。
- 変化が少なく安定しきっているため“起伏に欠け牧歌的”になりやすい、という本書の指摘どおり。ドラマを出すには経過音や代理コードが要る。
- No.4(Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳ)と同素材の並べ替え:No.4 は Ⅴ を早出しして華やか、No.8 は Ⅳ-Ⅴ を最後に固めて素朴。No.7(Ⅰ-Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ)とは Ⅳ↔Ⅱm 違い。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
期待感をアゲるポジティブなクリシェ
用途:Aメロ・明るい曲
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解説を読む
じわじわと動く「クリシェ」の代表的進行/徐々に期待が上がっていく明るい響き
原本の具体例:Ⅰ・Ⅰaug・Ⅰ6・Ⅰ7(C・Caug・C6・C7)
ポイント
- コードの一部が変化していく 「クリシェ」の代表的進行。Key=C では内声が ソ→ソ#→ラ→シ♭(C→Caug→C6→C7)と動く。
- 徐々に期待が上がっていくポジティブな響きなので、明るい曲で使うとよい。半音ずつ動く箇所をメロディに取り込むと特徴的なメロが作れる。
- 最後の Ⅰ7 はセカンダリドミナントなので、この進行の後は Ⅳ や Ⅱm に移動することが多い。
分析メモ
- 上行クリシェ:ルート C を保ったまま内声を ソ→ソ#(aug)→ラ(6)→シ♭(7) と半音で押し上げる。第5音が上へ滲み出していくので“期待がせり上がる”明るいポジティブ感になる。
- 終点 Ⅰ7=Ⅴ7/Ⅳ(C7 は F の属七)なので、進行後は Ⅳ へ本解決するのが自然(「あったかい〜」も Ⅰ7→Ⅳ)。ここが単なる装飾でなく“次への燃料”になる。
- No.12(Ⅰ-Ⅰ△7-Ⅰ7-Ⅳ)と鏡像:No.9 は内声が上行(期待・高揚)、No.12 は上声が シ→シ♭→ラ と下行(脱力)。同じ Ⅰ7 起点でも向きで真逆の情緒になる好例。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
明るいコードに揺らぎを加える進行
用途:Aメロ・場面の区切り
キーを選ぶと具体音を表示します。
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Ⅰのコードに変化を与えるときに使う進行/クリシェのように使うこともある
原本の具体例:Ⅰ・Ⅳ/Ⅰ・Ⅰ(C・F/C・C)
ポイント
- メジャーコード Ⅰ の響きに少し変化や揺らぎを与える進行。Ⅳ/Ⅰ は低音を Ⅰ に固定したまま上部だけを動かした形で、sus4 に似た緊張感が出せる。
- 「First Love」(宇多田ヒカル) のように、さり気なく場面の区切りに使うことが多い。
- 「木綿のハンカチーフ」(太田裕美) のように、何度も繰り返して「クリシェ」のように使うこともある。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅳ/Ⅰ-Ⅰ(C-F/C-C)。ベースは Ⅰ に釘付けのまま、上3声だけが Ⅳ へ膨らんで戻る。プラガル(Ⅳ-Ⅰ)の色を借りつつ根音が動かない=解決も転調もしない“揺れ”だけが残る。sus4 と似た宙づり感。
- Ⅰ ペダル上で Ⅳ を鳴らすので機能的にはトニックの延長。だから曲を進めず、場面の句読点や反復クリシェとして置かれる(「木綿の〜」は2小節ごとに反復)。
- 同じ Ⅰ ペダル系でも、No.10 は上に Ⅳ を乗せる“明るい揺らぎ”。ベースを動かすクリシェ(No.11・No.13)とは逆に、動かさないことで浮遊感を作る。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
静寂に包まれる優しいバラード進行
用途:Aメロ・バラード
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ルートが半音ずつ下がっていく「ベースラインクリシェ」の一種/バラードと相性よし
原本の具体例:Ⅰ・Ⅰ△7/Ⅶ・Ⅰ7/Ⅶ♭・Ⅵ7(C・C△7/B・C7/B♭・A7)
ポイント
- ルートが半音ずつ下がっていく 「ベースラインクリシェ」 の一種。緩やかに流れる静かな印象で、優しいバラードで使われることが多い。
- 派手さがないので、音数が少ない Aメロなどで使うとよい。Ⅰ△7/Ⅶ の部分は Ⅲm7/Ⅶ などで代用できる。
- 最後の Ⅵ7 はセカンダリドミナントなので、対応する Ⅱm などへ進行することがほとんど。
分析メモ
- ベースラインクリシェ:ベースが ド→シ→シ♭→ラ と半音下降するあいだ、上は Ⅰ 系の和音を保つ(Ⅰ→Ⅰ△7→Ⅰ7→Ⅵ7)。トップがほぼ動かず低音だけ滑るので、波立たない“静寂”が生まれバラード向き。
- 終点 Ⅵ7=Ⅴ7/Ⅱm(A7 は Dm の属七)。半音下降の勢いのまま Ⅱm へ本解決するのが定石(両参考曲とも Ⅵ7→Ⅱm)。
- 2番目の Ⅰ△7/Ⅶ は Ⅲm7/Ⅶ と交換可(構成音がほぼ同じ/「かたちあるもの」が実演)。No.12(トップ声のクリシェ)と対:No.11 はベースが半音で降りる、No.12 は上声が降りる。No.13・No.14 はこのベースクリシェを転回形で拡張した親戚。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
少しずつ脱力していくクリシェ
用途:Aメロ
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解説を読む
コードの一部が変化していく「クリシェ」の一つ/徐々に下がる音によって脱力していく
原本の具体例:Ⅰ・Ⅰ△7・Ⅰ7・Ⅳ(C・C△7・C7・F)
ポイント
- コードの一部が変化していく 「クリシェ」 の一つ。Key=C では上声が ド→シ→シ♭→ラ(C→C△7→C7→F)と下がる。
- 徐々に音が下がるため、少しずつ脱力していくような印象。派手さがないため Aメロなどに向く。
- 「ロマンスの神様」(広瀬香美) のように Ⅳ→Ⅳm という動きへ続けて、さらにクリシェが伸びることもある。
分析メモ
- 下行トップクリシェ:ルート C を保ったまま最上声を ド→シ(△7)→シ♭(7)→(ラ)と半音で下ろす。緊張が抜けていく方向なので脱力・落ち着きの情緒。
- 終点 Ⅰ7=Ⅴ7/Ⅳ(C7 は F の属七)で、シ♭→ラ の解決が Ⅳ(F) の3度に着く=C7→F は本物のドミナント解決。だから“ただ下がる”のに着地感がある。
- No.9 の鏡像(あちらは内声が上行して高揚、こちらは上声が下行して脱力)。No.11 とは動く声部が違う(No.11=ベース、No.12=トップ)。Ⅳ 到達後は「ロマンスの神様」のように Ⅳ→Ⅳm でさらに翳らせて延長できる。
参考曲
- 「Raindrops Keep Fallin' On My Head」(B.J.Thomas)|Aメロ(Fメジャー / Dマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
壮大で堂々とした進行
用途:イントロ・サビ
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解説を読む
ベースラインクリシェの一つ/珍しい転回形が多くインパクトが強い
原本の具体例:Ⅰ・Ⅰ7/Ⅶ♭・Ⅳ/Ⅵ・Ⅳm/Ⅵ♭(C・C7/B♭・F/A・Fm/A♭)
ポイント
- ベースが徐々に下降していく 「ベースラインクリシェ」 の一つ。壮大で堂々とした印象があり、イントロ・サビでインパクトが出しやすい。
- Ⅰ7/Ⅶ♭ はセカンダリドミナントの転回形、Ⅳm/Ⅵ♭ はサブドミナントマイナーの転回形という珍しい形。
- 「魔法の料理〜君から君へ」(BUMP OF CHICKEN) のように、さらに転回形中心の進行が続く場合もある。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅰ7/Ⅶ♭-Ⅳ/Ⅵ-Ⅳm/Ⅵ♭(C-C7/B♭-F/A-Fm/A♭)。ベースは ド→シ♭→ラ→ラ♭ と半音で降下。No.11 が Ⅰ ハーモニーを保つのに対し、こちらは和音自体を張りのある転回形で分厚く鳴らすので“壮大・堂々”。
- Ⅰ7/Ⅶ♭=Ⅴ7/Ⅳ の第3転回(B♭ベース)で次の Ⅳ/Ⅵ へ、続く Ⅳ→Ⅳm(メジャー→サブドミナントマイナー) は ラ→ラ♭ の半音落ちが生む定番の切なさ。ベースの半音下降が全部この“翳り”を運ぶ。
- No.11 の派手版・No.14 の短縮版:No.11 はベースクリシェを静かに、No.13 は転回形で堂々と、No.14 は同じ発想をさらに長い8和音へ伸ばす。「My Gift To You」が Key=C そのままの模範例。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
優しさと穏やかさに包まれる進行
用途:Aメロ・サビ・バラード
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ベースラインクリシェの一つ/緩やかに下降していく穏やかな進行
原本の具体例:Ⅰ・Ⅴ/Ⅶ・Ⅴm/Ⅶ♭・Ⅳ/Ⅵ・Ⅳm/Ⅵ♭・Ⅰ/Ⅴ・Ⅱ/♯Ⅳ・Ⅴ(C・G/B・Gm/B♭・F/A・Fm/A♭・C/G・D/F#・G)
ポイント
- ベースが半音ずつ動いていく 「ベースラインクリシェ」 の一つ。分数コードが多くやや複雑なため、ボイシングをよく確認すること。
- 緩やかに下降するためバラードのような穏やかな曲調が合うが、「DIAMONDS」(PRINCESS PRINCESS) のようなポップな曲でも使える。
- メロディを付ける難易度はやや高いので、まずはサンプル曲のメロを参考にするとよい。
分析メモ
- 8和音のフル・ベースラインクリシェ:ベースが ド→シ→シ♭→ラ→ラ♭→ソ→ファ#→(ソ) と、Ⅰ から一直線に半音下降して Ⅴ へ受け渡す。すべての和音はその半音ベースを作るための転回形として選ばれている。
- Ⅴ/Ⅶ→Ⅴm/Ⅶ♭ と Ⅳ/Ⅵ→Ⅳm/Ⅵ♭ は、いずれもメジャー→マイナーの“同主的な翳り”を半音下降に乗せた対。Ⅱ/♯Ⅳ=Ⅴ7/Ⅴ(D→G)の転回で、最後にドミナントの Ⅴ へ押し込む。
- No.13 の拡張版:No.13(4和音・壮大)の発想を倍の長さに引き伸ばして“緩やか・穏やか”にしたもの。ベースが常に動く下でメロを乗せるため作曲難易度が高い、という本書の注意はここに由来。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
夕焼け空が見える温かみのある進行
用途:Aメロ・バラード
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
伸びやかで優しく温かみのある進行/スローテンポな曲に合う
原本の具体例:Ⅰ・Ⅰ7・Ⅳ・Ⅳm(C・C7・F・Fm)
ポイント
- Ⅰ7(=Ⅴ7/Ⅳ)でⅣへ橋渡しし、着いたⅣをすぐⅣm(サブドミナントマイナー)へ翳らせる。明るいⅠから少し大人びた陰りへ滑る。
- セカンダリドミナント+サブドミナントマイナーという2つの“調外の音”でノスタルジックな手触りに。ピアノ弾き語りやアコギ1本の静かな曲によく合う。
- 繰り返してもいいし、サンプル曲のようにⅥmなどへ進めて長めの展開にもできる。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅰ7-Ⅳ-Ⅳm(Key=C実音 C-C7-F-Fm)。Ⅰ7はⅣへのセカンダリドミナント(Ⅴ7/Ⅳ)で、B♭が加わりⅣへ強く解決する。
- 着地したⅣをⅣm(Fm=A♭を含む同主短調からの借用)へ半音で沈めるのが肝。F→Fmのメジャー→マイナーの翳りが『夕焼け=暖かいのに寂しい』手触りの正体。
- No.12(Ⅰ-Ⅰ△7-Ⅰ7-Ⅳ)と同じ『Ⅰを7thで色づけしてⅣへ』の仲間だが、こちらは着地先をⅣmで曇らせる点が違う。Desperado は末尾に Ⅱ7-Ⅴ7 を足して次へ開く。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
少しだけ浮かび上がる不思議な進行
用途:間奏・アクセント
キーを選ぶと具体音を表示します。
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曲調に少し変化を与えるような変わった響き/気持ちいい違和感を与える
原本の具体例:Ⅰ・Ⅱ♭・Ⅰ(C・D♭・C)
ポイント
- 安定したⅠから半音上のⅡ♭へ唐突に飛ぶ。思いもよらないコードが割り込む『気持ちいい違和感』が持ち味。
- Ⅱ♭はⅤ7の裏コード(トライトーン代理)とも見なせるが、ここでは機能というより飛び道具的な半音上ずらしと捉えるほうが自然。
- 複雑なメロディは乗せにくい。単純な動きで違和感を活かすのがコツ。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅱ♭-Ⅰ(C-D♭-C)。Ⅰを丸ごと半音上へ平行移動させて戻すだけ。ルートも構成音も総半音上げ→戻しなので、調性が一瞬ぐらつく。
- Ⅱ♭=ナポリの和音/Ⅴ7裏コードだが、後続がⅤでなくⅠへ戻るためドミナント機能は働かず、純粋な色彩効果として響く。だから『浮かび上がる不思議さ』になる。
- 同じ半音上系でも No.18(Ⅰ-Ⅲ♭-Ⅳ)は♭Ⅲの借用でワイルドに前進、こちらはⅡ♭で一瞬浮いて即Ⅰへ帰る点滅型。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
モダンな浮遊感を生み出す進行
用途:イントロ・Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ベースペダルポイントを利用した進行/モダンな印象の変わった浮遊感
原本の具体例:Ⅰ・Ⅱ7/Ⅰ(C・D7/C)
ポイント
- ベースをⅠに固定(ペダルポイント)したまま上物をⅡ7へ動かす。低音が動かないので浮遊感が生まれる。
- Ⅱ7(D7)は属調からの借用コードで、転調感の強い新鮮な響き。あまり出会わないサウンド。
- 静かなイントロ・Aメロ向き。ここを起点に様々なベースペダルポイント進行へ派生する。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅱ7/Ⅰ(C-D7onC)。上物は Ⅰ→Ⅱ7(C→D7=Ⅴ7/Ⅴ、ドッペルドミナント)だが、ベースをCに残すのが肝。ルートが動かないぶんコードチェンジが宙に浮く。
- D7はKey=Cに無いF#を含む属調G由来の借用(Ⅴ/Ⅴ)。本来Ⅴ(G)へ進みたい緊張を、Cペダルが押さえ込むので『解決しない浮遊』になる。
- 参考曲はいずれも上物だけ動かしⅣm/Ⅰ等へ連鎖する。No.10(Ⅰ-Ⅳ/Ⅰ-Ⅰ)の“ベース固定で上を動かす”発想の発展形。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
明るさとワイルドさをあわせもつ進行
用途:イントロ・力強い展開
キーを選ぶと具体音を表示します。
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力強い印象の進行/後に繋がるコードにはいくつかの派生パターンがある
原本の具体例:Ⅰ・Ⅲ♭・Ⅳ(C・E♭・F)
ポイント
- Ⅲ♭(E♭)は同主短調からの借用コード。明るいⅠに未来的でワイルドな陰りが差す。
- 後続の派生が多い:Ⅰへ戻る/Ⅲ♭-Ⅴでドミナントへ/Ⅵ♭など同主調のコードへ繋ぐ、など。
- 力強い印象で、ロック的なリフにも合う。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅲ♭-Ⅳ(C-E♭-F)。Ⅲ♭は同主短調Cマイナー由来のブルー系借用。E♭のG音がメジャー3rdのEと半音でぶつかり、あの独特のワイルドさ(メジャー×ブルース感)が出る。
- Ⅳで着地してもドミナント(Ⅴ)を経ないため、解決というより横滑りの推進。Wannabeの Ⅶ♭・Ⅶdim(A・A#dim)はさらにブルージーな経過音。
- No.24(Ⅰ-Ⅳ-Ⅶ♭-Ⅰ)・No.26(Ⅰ-Ⅶ♭-Ⅰ)と同じ『同主調借用で洋楽っぽさ』の一族。こちらは借用を頭のⅢ♭に置く点が最もアグレッシブ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
突然の開放感が新鮮な進行
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
突然の借用ツーファイブが新鮮な進行/予測されづらい動きのため意外性が大きい
原本の具体例:Ⅰ・Ⅲm・Ⅴm7・Ⅰ7(C・Em・Gm7・C7)
ポイント
- 前半Ⅰ・Ⅲmはありふれたダイアトニック、後半Ⅴm7・Ⅰ7が突然の借用ツーファイブ。この落差が新鮮。
- Ⅲm→Ⅴm7の動きは予測されづらく、大きな意外性を生む。
- Ⅰ7は次のⅣへのセカンダリドミナントなので、この後はⅣ始まりの進行へ繋ぐと収まりがよい。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅲm-Ⅴm7-Ⅰ7(C-Em-Gm7-C7)。Gm7-C7はⅣ(F)へ向かう借用ツーファイブ(ⅱ-Ⅴ of Ⅳ)。Gm7のB♭がKey=C外で、ここで一瞬Fメジャーへ視界が開く。
- 『開放感』の正体はGm7:直前までEナチュラル(Ⅲm)がいたのにB♭が現れ、視界が急にずれる。締めのⅠ7(C7)が導音のように確定的にⅣへ引っ張る。
- 渡良瀬橋の後半 Ⅶm7(♭5)-Ⅲ/♯Ⅴ-Ⅵm はマイナー側の寄り道で、単純な前半と対照。似た“借用ⅱ-Ⅴ差し込み”は No.22 でさらに濃くなる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
優しく切なくドラマティックな進行
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
様々な感情が見え隠れする進行/次の響きを期待させるコードが多く展開感が強め
原本の具体例:Ⅰ・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅰ7(C・E7・Am・C7)
ポイント
- 2つのセカンダリドミナントが並ぶ。Ⅲ7=Ⅴ7/Ⅵm(次のⅥmへ)、Ⅰ7=Ⅴ7/Ⅳ(次のⅣへ)。
- 常に『次を期待させる』コードが続くので展開感が強く、動きがスムーズ。派手な曲でも問題なく使える。
- 優しさ(Ⅰ・Ⅵm)と切なさ(ドミナントの緊張)のコントラストが情感を生む。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅰ7(C-E7-Am-C7)。E7はG#を持つⅤ7/Ⅵm、C7はB♭を持つⅤ7/Ⅳ。ダイアトニックの合間に二次ドミナントを2発差し、常に半音の導音で前へ引っ張る。
- Ⅲ7→Ⅵmは短調的な切なさ(E7→Am)、Ⅰ7→(次のⅣ)は明るい開き。だから『優しく切なくドラマティック』=短調と長調の引力が交互に来る。
- No.21はこのⅠ7の直前にⅤm7を足してツーファイブ化、No.22はさらに頭にⅦm7(♭5)-Ⅲ7のマイナーⅱ-Ⅴを重ねた拡張。3つで段階的に濃くなる兄弟進行。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
さらに優しく切なくドラマティックな進行
用途:サビ・Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ツーファイブによってさらにドラマティックになった形/唐突なⅤm7の響きが気持ちいい
原本の具体例:Ⅰ・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅴm7・Ⅰ7(C・E7・Am・Gm7・C7)
ポイント
- No.20 の Ⅰ7 の前にⅤm7を挿入し、Ⅴm7・Ⅰ7 のツーファイブを作った形。
- Ⅴm7の開放的な響きに意外性があり、その後(Ⅳ方向)の展開を強く予感させる。
- Ⅴm7とⅥmの間にⅥm/♯Ⅴ・♯Ⅴaugなどの経過コードを挟む形もよく使われる。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅴm7-Ⅰ7(C-E7-Am-Gm7-C7)。No.20との差はGm7一発。Gm7-C7でⅣへの正式なツーファイブが完成し、Ⅰ7単発より解決先(Ⅳ)への牽引が強い。
- Ⅵm(Am)→Ⅴm7(Gm7)はルートが全音下降し、Amの明るさからGm7のB♭でふっと窓が開く=『唐突なⅤm7の気持ちよさ』。
- 情報量は No.20<No.21<No.22。No.21はツーファイブ1組ぶんの追加で、まだ素直に歌える濃度に収まっている。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
さらにさらに優しく切なくドラマティックな進行
用途:Aメロ・サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
2つのツーファイブによってさらに複雑になった形/コードの種類が多く曲調がコロコロ変わる
原本の具体例:Ⅰ・Ⅶm7(♭5)・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅴm7・Ⅰ7(C・Bm7(♭5)・E7・Am・Gm7・C7)
ポイント
- No.21 の頭にⅦm7(♭5)・Ⅲ7を足し、ツーファイブを2組使った最も濃い形。
- Ⅶm7(♭5)・Ⅲ7 はⅥm(Aマイナー)へのマイナーツーファイブなので、強い切なさが出る。
- コード種類が多く目まぐるしく転換するため、アレンジ・演奏の難易度はやや高め。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅶm7(♭5)-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅴm7-Ⅰ7(C-Bm7♭5-E7-Am-Gm7-C7)。Bm7♭5-E7=Ⅵm(Am)へのマイナーⅱ-Ⅴ、Gm7-C7=Ⅳへのメジャーⅱ-Ⅴ。2つのツーファイブが数珠つなぎ。
- Ⅶm7(♭5)はF・A♭を含むハーモニックマイナー由来で、Ⅲ7(E7)のG#と合わせAmへⅱ-Ⅴ-ⅰ的に強く落とす。だからNo.20/21より切なさが濃く、色がころころ変わる。
- No.20→21→22は『二次ドミナントだけ/ツーファイブ1組/ツーファイブ2組』と段階的に和声密度が上がる三兄弟。演奏難度も同順に上がる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
優しさの中に少しの不安が入り交じる進行
用途:サビ(バラード)
キーを選ぶと具体音を表示します。
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メジャーコードの連続に続くパッシングディミニッシュが切ない進行
原本の具体例:Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・♯Ⅴdim・Ⅵm(C・F・G・G#dim・Am)
ポイント
- 前半Ⅰ・Ⅳ・Ⅴはメジャーの連続で優しいが、♯Ⅴdim→Ⅵmで切ない翳りへシフトする。
- ♯Ⅴdim(G#dim)はパッシングディミニッシュ。ⅤとⅥmの間を半音で滑らかに繋ぎ、進行全体に深みを足す。
- J-POPのバラードのサビで頻出。♯ⅤdimはⅢ7/♯Ⅴ(E/G#)などで代用可。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-♯Ⅴdim-Ⅵm(C-F-G-G#dim-Am)。G#dimはⅤ(G)とⅥm(Am)を繋ぐ経過ディミニッシュで、ベースG→G#→Aの半音上行を作る。
- G#dim=E7(♭9)の根音省略=Ⅵmへのセカンダリドミナント代理。だから『♯ⅤdimはⅢ7/♯Ⅴで代用可』。ドミナント機能がAmへ切なく解決するのが不安の正体。
- 頭のⅠ-Ⅳ-Ⅴという最も明るい並びと、passing dim→Ⅵmの短調着地の落差が『優しさ+不安』。カメレオン(King Gnu)はⅤをⅤsus4に替えて更に和らげている。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
洋楽風の動きが新鮮な進行
用途:Aメロ・イントロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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洋楽らしい雰囲気の進行/Ⅶ♭の特徴的な響きが魅力的
原本の具体例:Ⅰ・Ⅳ・Ⅶ♭・Ⅰ(C・F・B♭・C)
ポイント
- Ⅶ♭(B♭)は同主短調からの借用コード。突然のⅦ♭が洋楽っぽい勢いと新鮮さを生む。
- シンプルな中にひねりが一つ。最近のJ-POPではあまり聴かないサウンド感。
- 『突然Ⅶ♭が出る進行』全般に共通する洋楽感なので、パターンとして覚えておくと応用が効く。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅳ-Ⅶ♭-Ⅰ(C-F-B♭-C)。B♭はミクソリディアン/同主短調由来のⅦ♭。Ⅳ(F)→Ⅶ♭(B♭)はサブドミナント同士の全音下降で、ドスンとした洋楽ロック感。
- Ⅶ♭→Ⅰはドミナント(Ⅴ)を通らない下からの長2度解決。導音B→Cを使わないぶん、教会旋法的で洗練された脱・J-POP感になる。
- No.26(Ⅰ-Ⅶ♭-Ⅰ)はこのⅦ♭だけを抜き出した最小形、No.18(Ⅰ-Ⅲ♭-Ⅳ)は借用先が♭Ⅲ。いずれも同主調借用ファミリー。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
未来的な転調感のある進行
用途:サビ・Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
突然変わったコードに移動する進行/未来的で動きのある印象
原本の具体例:Ⅰ・Ⅴm(C・Gm)
ポイント
- 明るいⅠから突然Ⅴmという変わったコードへ。マイナーだが暗さは薄く、未来的で動きのある印象。
- この後はⅣ・Ⅳmなど隣接コードへ続くことが多い。
- サビ頭にも、Aメロをさり気なくおしゃれにするのにも使える。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅴm(C-Gm)。Ⅴm(Gm)はミクソリディアン/同主短調由来の借用で、B♭を含む。長三和音・導音Bを持つ本来のⅤを短三和音にすることでドミナント機能を抜いた“脱力したⅤ”になる。
- 暗く聞こえないのは、Gmの後がⅣ(F)やⅣm方向へ流れ、Ⅴm-Ⅳ=下属方向のミクソリディアン進行として機能するから。Clocksの Ⅰ-Ⅴm-Ⅱm がその典型。
- 同じⅤmでも No.19/21/22 は『Ⅴm7-Ⅰ7』とツーファイブでⅣへ解決させる使い方。No.25は解決させず色として置くだけなので、より浮遊的。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
シンプルなパワー感に満ち溢れた進行
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
勢いのあるシンプルで力強い進行/シンプルなメロディの曲に向いている
原本の具体例:Ⅰ・Ⅶ♭・Ⅰ(C・B♭・C)
ポイント
- ⅠとⅦ♭を往復するだけのシンプルで力強い進行。Ⅶ♭は同主調または下属調からの借用。
- 理屈は深く気にせず単純なメロディを乗せるほうが魅力的に決まる。
- 似た形にⅠ・Ⅳ・Ⅶ♭・Ⅵ♭もある(同じくシンプルで力強い)。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅶ♭-Ⅰ(C-B♭-C)。No.24からⅣを抜いた最小の同主調借用。Ⅰ⇄Ⅶ♭は全音上下の平行往復で、ドミナントを持たないぶん緊張/解決が無く、ただ力強く前へ転がる。
- Ⅶ♭(B♭)はミクソリディアンの象徴音。ロック/ブルースの Ⅰ-Ⅶ♭-Ⅳ-Ⅰ 骨格の一部でもあり、パワーコードで鳴らすと映える(Let It GoのBメロ、Ifのリフ)。
- No.24(Ⅳを挟む)・No.27(さらにⅥ♭・Ⅵmまで下る)と同族。No.26は最も素朴で、メロディ勝負の器。
参考曲
- 「Let It Go ~ありのままで~」(松たか子)|Bメロ(E♭メジャー / Cマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
宙に浮いて漂う雰囲気の進行
用途:イントロ・Aメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
独特な浮遊感のある進行/ゆるめの曲調にも使える
原本の具体例:Ⅰ・Ⅶ♭・Ⅵm・Ⅵ♭(C・B♭・Am・A♭)
ポイント
- Ⅶ♭・Ⅵ♭は同主調からの借用コード。ふわふわした独特の浮遊感が魅力。
- ベースがC→B♭→A→A♭と緩やかに下降していくのが浮遊感の秘密。
- Ⅵ♭の後にⅥ♭・Ⅰと戻る形や、更に下降してⅤへ進む派生もある。ゆるめの曲調に合う。
分析メモ
- Ⅰ-Ⅶ♭-Ⅵm-Ⅵ♭(C-B♭-Am-A♭)。ルートがC→B♭→A→A♭と長2度・長2度・半音で下る下降ベースライン。Ⅶ♭・Ⅵ♭は同主短調Cマイナー借用。
- Ⅵm(Am)以外は全部Cメジャー外なので調性が薄まり“宙に浮く”。特にⅥ♭(A♭)は次にⅤ(G)へ半音で落ちたがる(Ⅵ♭→Ⅴはフリジア的)ので、そのまま下降を続ける派生が自然。
- No.26(Ⅰ-Ⅶ♭)に Ⅵm-Ⅵ♭ を継ぎ足してベース下降を延ばした形。花火(aiko)は Ⅰ-Ⅶ♭ / Ⅵm-Ⅵ♭ の2小節ループで浮遊感を保つ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
パワーチャージする期待アゲ進行
用途:高揚感・Bメロ終わり・サビ中盤/終わり
キーを選ぶと具体音を表示します。
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一つずつ上がるコードが高揚感を生み出す/パワーを蓄える場面で効果的
原本の具体例:Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅴ(Dm・Em・F・G)
ポイント
- ⅡmからⅤまでダイアトニックコードを一つずつ上がっていくシンプルな進行。素直な高揚感を与えることができる。
- Bメロ終わりやサビの中盤・終わりなど、じわじわとパワーを蓄える部分でよく使われる。
- 徐々に上がるコードに合わせてメロディも上がる形にするとより効果的。期待感を高めるドラムアレンジを重ねるのも有効。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ。スケール上を2度ずつ順次上行する『階段』進行。トニックを踏まず SD(Ⅱm)→T代理(Ⅲm)→SD(Ⅳ)→D(Ⅴ) と機能を押し上げていくので、Ⅴに達した時点で解決欲求が最大になる=サビ前のパワーチャージに最適。Key=C実音は Dm-Em-F-G。
- ベースが D-E-F-G と順次上行するため、メロディやアレンジも一緒に持ち上げやすい。No.30 はこの Ⅳ-Ⅴ 間に Ⅳ#dim を挟んだ強化版。
- 参考曲はいずれもサビ(終盤)で階段上行を使う。「残響散歌」「ワダツミの木」は Ⅵm 始まりのフレーズ後半に Ⅱm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ を置いて頂点へ、「レーザービーム」は Ⅱm・Ⅲm | Ⅳ・Ⅴ を詰めて Ⅵm へ駆け上がる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
迷ったように上下するムズムズ進行
用途:もどかしさ・Bメロ・繰り返し
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なかなか主張の強いコードに行かない/もどかしさのある進行
原本の具体例:Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅲm(Dm・Em・F・Em)
ポイント
- 隣同士のコードを行ったり来たりする、なんともムズムズする進行。主張の強い Ⅰ・Ⅵm・Ⅴ などのコードになかなか移動せず、堂々巡りしているような印象。
- Bメロなどで繰り返して使うことでもどかしさを感じさせることができる。
- 繰り返しから脱出するには、Ⅴ7 などのドミナントコードでダイナミックな動きを促す。
- Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm・Ⅲm という逆の動き方でも、同じようなもどかしさを感じさせることができる。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅲm。No.28 の階段上行が Ⅳ で折り返して Ⅲm に戻る形。ドミナントにもトニックにも着地しないため解決が起きず、宙吊りのループが続く=ムズムズの正体。Key=C実音は Dm-Em-F-Em。
- 2度違いの隣接コード同士を往復するので響きの変化が小さく、メロディの自由度が高い。Bメロで溜めて、Ⅴ7 やセカンダリドミナントで一気に脱出する設計が定石。
- 「迷い道」は曲名どおり Ⅱm7⇄Ⅲm7 の往復で迷いを表現し、Ⅲ7(V/Ⅵm)で抜ける。「Shadow gate to love」はループの終端を Ⅵm7 で締めて切なさを足す。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
アイドル曲風Bメロ進行
用途:アイドル曲・Bメロ・サビへの期待感
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
アイドル曲のBメロでよく使われる進行/じわじわと上がる音が気持ちいい緊張感
原本の具体例:Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅳ#dim・Ⅴ(Dm・Em・F・F#dim・G)
ポイント
- 「No.28 パワーチャージする期待アゲ進行」の Ⅳ と Ⅴ の間に Ⅳ#dim を挟んだ進行。
- アイドル曲などのポジティブで盛り上がる曲で使われることが多い。
- Ⅳ・Ⅳ#dim・Ⅴ というじわじわと上がってくる動きには気持ちいい緊張感があり、サビへの期待感を強く高めることができる。
- Ⅳ#dim は Ⅱ7/Ⅳ#(Key C なら D7/F#) で代用することもあるが、響きはあまり変わらない。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅳ#dim-Ⅴ。No.28 の階段にパッシングディミニッシュ Ⅳ#dim を挟み、ベースを D-E-F-F#-G と半音刻みの上行にした強化版。半音が入るぶん緊張感と期待感が増す。Key=C実音は Dm-Em-F-F#dim-G。
- Ⅳ#dim(F#dim)は Ⅴ へ半音下からもたれ込む経過和音で、Ⅱ7/Ⅳ#(D7/F#)とほぼ同じ響き。ベース半音上行つながりで No.60(Ⅳ-Ⅳ#dim-Ⅴ-Ⅴ#dim-Ⅵm)と同じ発想の技。
- 「夏色えがおで1,2,Jump!」は Ⅱm7 から1小節ずつ律儀に階段を上るBメロのお手本。「おいでシャンプー」はBメロ後半で Ⅱm7・Ⅲm7→Ⅳ△7・Ⅳ#dim→Ⅴ と同じ半音上行を圧縮して使う。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
一風変わった高揚感を聴かせられる進行
用途:意外性・Bメロ終わり・転調の入口
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
意外な進行によって少し流れが変わった感じのする進行/Bメロ終わりなどで役立つ
原本の具体例:Ⅱm・Ⅲm・Ⅳm(Dm・Em・Fm)
ポイント
- Ⅱmから一つずつコードが上がっていき、サブドミナントマイナーの Ⅳm で少し意外性を出すことができる進行。
- 曲調に変化を与えることができるので、Bメロ終わりなどで少し変わった展開を見せたいときに役立つ。
- Ⅳm の後は Ⅴ などのドミナントコードに進むのが一般的だが、♭Ⅵ などの同主調のコードに移動して転調の手段として使うこともある。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅲm-Ⅳm。No.28 と同じ順次上行だが、3つ目を Ⅳ ではなく同主短調から借用した Ⅳmにすり替えた形。上昇の勢いの中に翳りが差し、『一風変わった高揚感』になる。Key=C実音は Dm-Em-Fm。
- Ⅳm はサブドミナントマイナーなので後続は Ⅴ(ドミナント)が基本。♭Ⅵ など同主調のコードへ進めば、そのまま転調の入口としても機能する。
- 「ホタルノヒカリ」は Ⅳm7 を2小節引き伸ばして意外性を強調してから Ⅴ→Ⅵ7 へ、「ray」は Ⅳm→Ⅴsus4・Ⅴ と最短でサビへ橋渡しする。どちらもBメロ後半=サビ直前の飛び道具。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
マイナーコードのみで作るクールな進行
用途:クール・繰り返し・ギター向き
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解説を読む
飾り気のないクールな印象の進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅱm・Ⅲm・Ⅵm(Dm・Em・Am)
ポイント
- マイナーコードのみで構成された、飾り気のないクールな印象の進行。繰り返して使うことができる。
- 便利な進行だがそれほど多く使われていないので、意外と狙い目。
- 全てマイナーコードなので、ギターで演奏するのがかなり簡単なのも嬉しいポイント。
- 「修羅場」(東京事変)のように Ⅵm をセカンダリドミナントの Ⅵ7 に変化させると、Ⅱm へ戻る動きがよりスムーズになる。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅲm-Ⅵm。SD代理→T代理→T代理と、ダイアトニックのマイナー3兄弟だけを渡り歩く進行。メジャーコードの『明るい断定』が一切入らないのがクールさの正体。Key=C実音は Dm-Em-Am。
- Ⅵm で終わるので頭の Ⅱm(4度上行)へ自然に戻れて無限ループ可。継ぎ目を Ⅵ7(=V/Ⅱm) にするとドミナントモーションが生まれて回転が滑らかになる(修羅場の D7、譜例2周目の A7 がこれ)。
- 参考曲は2曲とも Ⅱm7・Ⅲm7 | Ⅵm7 を同じ型で回す。BPMとアレンジ次第でアンニュイにも疾走感にも振れる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ダイナミックさの後に少しの切なさが残る進行
用途:派手・活発・サビ/Bメロ・エンディング
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
派手で活発な印象の進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ・Ⅵm(Dm・G・C・Am)
ポイント
- Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ というダイナミックな「ツーファイブワン」の動きの後に、マイナーコード Ⅵm の切ない響きが残る進行。
- 派手で活発な印象なので、サビはもちろん少し動きのあるBメロなどでも使用できる。
- 最後の Ⅵm は最初の Ⅱm に繋がりやすいため、何度も繰り返して使用できる。
- Ⅵm を省けばそのままエンディングにもっていくこともできるため、非常に使いやすい。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ-Ⅵm。ジャズ由来の 251 で強く解決した直後、トニック代理の Ⅵm へ滑り込んで余韻に翳りを残す。D→G→C、A→D(継ぎ目)とほぼ全て4度上行なのでベースの推進力が強い。Key=C実音は Dm-G-C-Am。
- Ⅵm→Ⅱm も4度上行なのでループの継ぎ目が完全に滑らか=無限に回せる。Ⅵm を切れば Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ の完全終止でそのままエンディング化できる二刀流。
- 「君がいるだけで」はこの進行を2拍ずつそのまま回す教科書例。「HONEY」「スローモーション」は後半に Ⅲ7 や Ⅶm7(♭5)→Ⅲ7(短調のツーファイブ)を足して Ⅵm 側の切なさを増幅している。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
何度もダイナミックな動きを繰り返す進行
用途:動的・繰り返し・サビ/Bメロ
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非常に動的な印象の進行/何度も繰り返して使用可能
原本の具体例:Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ・Ⅵ7(Dm・G・C・A7)
ポイント
- Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ というダイナミックな「ツーファイブワン」の動きの後に、最初の Ⅱm に戻るためのセカンダリドミナント Ⅵ7 が来る、非常に動的な印象の進行。
- コードチェンジを素早く行えば「ラムのラブソング」(松谷祐子)のようなわちゃわちゃした雰囲気に、ゆったり使えば「Point of No Return」(CHEMISTRY)のような伸びやかな印象の曲にも対応できる。
- 「No.33 ダイナミックさの後に少しの切なさが残る進行」に形が似ているため、組み合わせて使用しても良い。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ-Ⅵ7。No.33 の Ⅵm をセカンダリドミナント Ⅵ7(=V/Ⅱm) に置き換えた形。A7→Dm のドミナントモーションが継ぎ目に生まれ、251 の推進力が途切れず回り続ける『永久機関』型。Key=C実音は Dm-G-C-A7。
- Ⅵm(切なさが残る)か Ⅵ7(次へ強く引っ張る)かの一字違いが No.33 との分かれ目。「Point of No Return」「めっちゃホリディ」は前半 Ⅵm(7)・後半 Ⅵ7 と、まさに両者を組み合わせて使っている。
- 回すテンポで表情が激変する:2拍ごとに素早く回せばコミカルでわちゃわちゃ(ラムのラブソング)、1小節ずつ据えれば伸びやか(Point of No Return)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「J-POP王道進行」のBメロ特化バージョン
用途:Bメロ・もどかしさ・繰り返し
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解説を読む
「J-POP王道進行」の派生形/強く裏切る動きによってBメロらしいもどかしさがアップ
原本の具体例:Ⅱm・Ⅴ・Ⅲm・Ⅵm(Dm・G・Em・Am)
ポイント
- 「No.47 J-POP王道進行」(Ⅳ・Ⅴ・Ⅲm・Ⅵm)のはじめのコードを Ⅱm に変化させた形。
- これにより生まれる Ⅱm・Ⅴ・Ⅲm は、ツーファイブから偽終止するという強い裏切りのある動き。結論を先延ばしにし続けるような、Bメロらしいもどかしさを感じさせる。
- 王道進行と同様、何度も繰り返して使うことができる。
- 最後の Ⅵm をセカンダリドミナントの Ⅵ7 に変化させることで、はじめの Ⅱm へ戻る動きがスムーズになる。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm。王道進行の頭 Ⅳ を同機能(SD)の Ⅱm に差し替えた兄弟。頭が Ⅱm になったことで前半が完全なツーファイブになり、Ⅰ に行くと見せかけて Ⅲm へ偽終止する裏切りが強調される。Key=C実音は Dm-G-Em-Am。
- Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm→(Ⅱm) と解決を避けたまま4度上行が連鎖するので、着地感のないままループが回る=結論をサビへ持ち越すBメロ向きの構造。竹内まりやのようにAメロで淡々と回す使い方も効く。
- 「プラスティック・ラブ」はこの進行が生むシティポップ的浮遊感の代表例。「歩いて帰ろう」は1周のあと Ⅳ→Ⅲm→Ⅱ7→Ⅴ と変形してサビへ繋ぐ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
一風変わった終わり方をしたいときの進行
用途:変わったエンディング・優しい曲
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特殊な形のサブドミナントマイナーを使った進行/変わった終わり方をするときに使う
原本の具体例:Ⅱm・Ⅱm7(♭5)・Ⅰ(Dm・Dm7(♭5)・C)
ポイント
- 変わったエンディングをしたいときに使える進行アイデア。Ⅱm からツーファイブに進むと見せかけて、Ⅱm7(♭5) という変わった形のコードに進む。
- Ⅱm7(♭5) は構成音が Ⅳm6 とほぼ同じなため、サブドミナントマイナーとして比較的スムーズに Ⅰ に進むことができるという仕組み。
- 非常に柔らかな印象で Ⅰ に進むことができる動きなので、優しい曲で使用するとよい。
- Ⅳm・Ⅳm6・Ⅱm7(♭5) 以外にもサブドミナントマイナーとして機能するコードはいくつかあり、使い方次第で変わったエンディングを表現できる(本書は補足で例を列挙)。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅱm7(♭5)-Ⅰ。ツーファイブと見せかけて第5音を半音下げ(A→A♭)、Ⅴ を経由せずに Ⅰ へ軟着陸するエンディング技。Dm7(♭5)=D・F・A♭・C は Fm6(Ⅳm6)と同じ構成音で、実体はサブドミナントマイナー終止(Ⅳm→Ⅰ)の変形。Key=C実音は Dm-Dm7(♭5)-C。
- ドミナントの緊張を踏まないため解決が柔らかく、バラードや優しい曲の『ふわっと終わる』感触に向く。No.37(Ⅱm→Ⅳm)と同じサブドミナントマイナー行きの姉妹技で、こちらはベースが D に留まるぶんさらに滑らか。
- TUBE の例では 251 に向かう流れの途中で Em7→Em7(♭5) と半音変化させ、Ⅴ を飛ばして D(Ⅰ) へ着地。サビ後半をそのままエンディング風に締める使い方。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
意外な場所への着地が気持ちいい進行
用途:意外性・切なさ・優しい曲調の変化
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解説を読む
ツーファイブを裏切り意外なところに着地する進行/ふわりとした切ない印象
原本の具体例:Ⅱm・Ⅳm(Dm・Fm)
ポイント
- Ⅱm からの動きとしてはツーファイブ(Ⅱm・Ⅴ、Ⅱm7・Ⅴ7 など)が定番だが、その動きを裏切ってサブドミナントマイナーの Ⅳm に着地させる進行。
- インパクトは大きくないが、ふわりとした独特な切なさが漂うため、優しい曲調の中に変化をつけたいときに有効。
- Ⅳm 以降は通常のサブドミナントマイナーと同様、Ⅰ や Ⅴ などに進行することが多い。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅳm。Ⅱm の次に来るはずの Ⅴ を裏切り、同主短調から借りた Ⅳm へ横滑りする。ベースは D→F と上がるのに響きは翳る——この期待外しの落差が『意外な着地』の気持ちよさ。Key=C実音は Dm-Fm。
- No.31(Ⅱm-Ⅲm-Ⅳm)が階段で Ⅳm に到達するのに対し、こちらは Ⅲm を飛ばして直行する切込み型。No.36 の Ⅱm7(♭5) も機能は同じサブドミナントマイナー行きで、相互に代用が利く。
- 参考曲はいずれも Ⅱm→Ⅳm の瞬間がフレーズの聴かせどころ。「ドライフラワー」はサビ後半 Am7→Cm・D、「栞」はBメロ終端 G#m→Bm→C# と、Ⅳm→Ⅴ で次のセクションへ送り出す使い方が共通。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
暗く張り詰めた印象の進行
用途:暗い曲・緊張感
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パッシングディミニッシュを使用した進行/緊張感のある暗い響き
原本の具体例:Ⅱm・Ⅱ#dim・Ⅲ7(Dm・D#dim・E7)
ポイント
- 暗い曲調の中で緊張感を演出するときに役立つ進行。この進行単体で使用することはあまりなく、何らかの進行からの流れで使用すると良い。
- Ⅱ#dim は Ⅱm と Ⅲ7 の間を滑らかに繋げるパッシングディミニッシュで、Ⅲ7 に移動することを強く予感させてくれる。
- Ⅲ7 はセカンダリドミナントのため、対応した Ⅵm に進行することが多い。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅱ#dim-Ⅲ7。ベースが D→D#→E と半音ずつ這い上がる。Ⅱ#dim(D#dim=D#・F#・A・C)は Ⅶ7(B7=Ⅲ7 へ向かうドミナント)のルート省略形にあたる代理コードで、Ⅲ7 行きを強く予告する。Key=C実音は Dm-D#dim-E7。
- Ⅲ7 は Ⅵm へのセカンダリドミナントなので、この進行の先には短調のトニック(Ⅵm)が待っている=暗く張り詰めた響きの出どころ。明るい半音上行の No.30・No.60(Ⅳ#dim 系)と対になる『短調側のパッシングディミニッシュ』。
- ユーミン「埠頭を渡る風」はサビ末尾に Ⅱm7→Ⅱ#dim→Ⅲ7 を置いて頭の Ⅵm 系へ戻し、ABBA「Money, Money, Money」は Ⅱm | Ⅱ#dim | Ⅲ7 を1小節ずつ引き伸ばして緊張を煽る。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
歌謡曲定番の「枯葉進行」
用途:歌謡曲・物寂しさ・ジャズ/シャンソン
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4度跳躍の動きを繰り返す歌謡曲の定番進行/続きが予想しやすい気持ちよさがある
原本の具体例:Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ・Ⅳ・Ⅶm(♭5)・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅵ7(Dm・G・C・F・Bm(♭5)・E7・Am・A7)
ポイント
- ジャズやシャンソンのスタンダード曲「Autumn Leaves(枯葉)」で使われているため、「枯葉進行」と呼ばれることがある進行。歌謡曲のような物寂しい感じが漂う。
- ディグリーネームをよく調べると、4度上のコードに動き続けていることが分かる。同じ動きを繰り返すため、続くコードが予想しやすい気持ちよさがある。
- 最後の Ⅵ7 は、最初の Ⅱm に戻ることができるセカンダリドミナント。
分析メモ
- Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅶm(♭5)-Ⅲ7-Ⅵm(-Ⅵ7)。ダイアトニックコードを4度上行(5度下行)だけでほぼ一巡する完全循環。D→G→C→F→B→E→A とベースが規則的に落ち続けるため、次が予想できる安心感と物寂しさが同居する。Key=C実音は Dm-G-C-F-Bm(♭5)-E7-Am。
- 前半 Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ は長調の 251、後半 Ⅶm(♭5)-Ⅲ7-Ⅵm は短調の 251 で、長調→短調のツーファイブワンを直列に繋いだ構造。「Autumn Leaves」そのままの骨格で、末尾の Ⅵ7=V/Ⅱm が振り出しへ戻すエンジン。
- 参考曲3曲はキーこそ違えど全て『2拍ずつ×4小節』の完全に同一の型で回しており、C-C-B(歌謡曲)・22/7(現代アイドル)・Cliff Richard(オールディーズ)と時代もジャンルも超えた定番ぶりがわかる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
Bメロらしい変化を与える進行
用途:Bメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
曲調に少し変化を与えるような響き/Bメロで使うことが多い
原本の具体例:Ⅲm・Ⅵm・Ⅱm・Ⅴ(Em・Am・Dm・G)
ポイント
- Ⅲmから始まるのはやや珍しい。流れに少し変化を与える印象 → Bメロで非常に多い。サビ頭にはあまり使わない。
- マイナー多めだが暗くなりすぎず、明るめの曲でもOK。
- 繰り返すと継ぎ目が
…Ⅱm・Ⅴ・Ⅲm…になり、ツーファイブを裏切る「偽終止」の形が出る。 - サビへ移行するときは、Ⅴの後に Ⅰ や Ⅳ へ進めて着地させる。
分析メモ
- 正体は下行5度の循環(E→A→D→G、続ければ G→C で着地)の頭4つの切り出し。着地しないから宙吊り=Bメロ向き。
- 偽終止:Ⅱm-Ⅴ が Ⅰ でなく Ⅲm(=Cのトニック代理、E・G を共有)へ流れる。「解決しかけてしない」感触でループが回り続ける。
- 暗くならないのはトニック寄り+7th化で滑らかだから。桑田の
F=♭ⅦはGメジャー外の借用で陰影を一発差す上級技。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ポップさの後に切なさがこみ上げる進行
用途:Bメロ・サビ
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解説を読む
前半はポジティブで後半は切ない進行/洋楽でも使用頻度が高い
原本の具体例:Ⅳ・Ⅰ・Ⅴ・Ⅵm(F・C・G・Am)
ポイント
- 前半 Ⅳ・Ⅰ はポップでポジティブ、後半 Ⅴ・Ⅵm は少し弱々しく切ない。コントラストが味わい深い。
- Bメロやサビによく登場し、繰り返し使える。
- 「チャンカパーナ」(NEWS)のようなダンサブルな曲でも使いやすく、洋楽でも使用頻度が高い。
分析メモ
- Ⅳ始まりの王道進行系。Ⅰを2番目に置いて前半の明るさを強調し、後半 Ⅴ→Ⅵm の偽終止(ドミナント→短調トニック代理)で切なさへ反転させるのが肝。
- 「チャンカパーナ」末尾の Ⅲ(E) は Ⅵm(Am) へのセカンダリードミナント(V/Ⅵm)で次の繰り返しへ強く引っ張る。
- Ⅵm で終わるので繰り返しと相性が良い。サビにもBメロにも置ける万能型。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ゆるやかに流れて落ち着く進行
用途:Bメロ
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ダイアトニックコードのみで緩やかにⅠにたどり着く進行/起伏のなさが特徴
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm・Ⅰ(F・Em・Dm・C)
ポイント
- Ⅳから順次進行のみでⅠまで一つずつ下がる。大きな跳躍がなく起伏が小さい=やや派手さに欠ける。
- 起伏の小ささを生かし、ゆったりした雰囲気を出したい場面に。
- 逆向きの Ⅰ・Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ(上行)と組み合わせるのもおすすめ。
分析メモ
- 全音域を順次下行する“坂道”進行。Ⅳ△7→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅰ とテンションが滑らかに減衰してⅠへ着地。
- 起伏が小さいぶん、メロディや音色で表情を付ける土台向き。No.43(2-5-1付き)・No.44(Ⅵm落ち)はこの順次下行からの分岐。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
緩急がはっきりと分かれた進行
用途:サビ・曲の終わり
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解説を読む
前半は緩やかな動き、後半はダイナミックな動き/曲の終わりにも使える
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ(F・Em・Dm・G・C)
ポイント
- 前半 Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm は順次進行で緩やか、後半 Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ はツーファイブワンで力強い。緩急のギャップが魅力。
- Ⅳ始まりなので「J-POP王道進行」系からの流れでも違和感なし。
- トニックⅠで終わるため曲の終わりにも使える。
分析メモ
- No.42 の順次下行(Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm)にⅤ・Ⅰを足して着地させた形。Ⅱm が「順次の終点」と「2-5-1の頭」を兼ねるのが構造の要。
- 「待つわ」末尾 Ⅲ7(C7) は Ⅵm へのセカンダリードミナントで次へ連結。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
突然暗い雰囲気に落とされる進行
用途:意外性・転換
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意外な動きで突然暗いコードに放り出される進行/ダイアトニックのみだが若干の意外性あり
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm・Ⅵm(F・Em・Dm・Am)
ポイント
- Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm は通常 No.42(→Ⅰ) や No.43(→Ⅴ・Ⅰ) のようにⅠへの着地を予感させる。
- その期待を裏切って急に Ⅵm へ進むため、不意を突かれた暗さが出る。
- ダイアトニックのみで作れる手軽な“裏切り”。
分析メモ
- 順次下行の着地先を Ⅰ ではなく Ⅵm(トニック代理の短調) にすり替えた偽終止型。No.42/43 と対で覚えると“着地の選択肢”が見える。
- Ⅵm で終わるのでループ性も高い。暗→明の振り戻しを作りやすい。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
THE・シンプルな無駄のない進行
用途:王道・どこでも
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最も基本的な動きを使った進行/シンプルでストレートな印象
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ(F・G・C)
ポイント
- Ⅳ(SD)・Ⅴ(D)・Ⅰ(T) の教科書どおりの動き。飾りが一切なく堂々とした印象。
- 変化を付けるなら Ⅰ を Ⅰsus4・Ⅰ に割る、または末尾に Ⅰ7 を足して Ⅳ への戻りをドミナント化。
分析メモ
- 王道の最小形 Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ。これ以上削れない“ど真ん中”の解決。
- 末尾に Ⅰ7 を足すと Ⅳ への循環がドミナント連結で滑らかになる。
参考曲
- 「Hero」(安室奈美恵)|サビ(A♭メジャー / Fマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
素直で素朴な定番進行
用途:定番・どこでも
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解説を読む
ダイアトニックコードのみの定番進行/アレンジ次第で切なく聴かせることも可能
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ・Ⅵm(F・G・C・Am)
ポイント
- Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ(SD-D-T)に Ⅵm を足した素直な4和音版。
- 最後の Ⅵm(短調トニック代理)が少し陰り、アレンジ次第で切なくも。
- ループ時 Ⅵm→Ⅳ の戻りに Ⅵm7/Ⅴ をクッションすると滑らか。
分析メモ
- No.45 (Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ) に Ⅵm を継いだ形。明るい解決のあと一瞬陰るのが“素朴な切なさ”。
- 「ヒロイン」末尾 Ⅰ7(G7) は次の Ⅳ への橋渡し(循環ドミナント)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
どんな場面・どんな曲でも使える「J-POP王道進行」
用途:超定番・どこでも
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明るさと暗さをあわせもつ超定番進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅲm・Ⅵm(F・G・Em・Am)
ポイント
- J-POP最頻出。コードに詳しくない人でも「聴いたことがある」と感じる進行。
- イントロ/A/B/サビどこでも、何度でも繰り返せて、ジャンルも選ばない万能型。
- 長三和音2+短三和音2で明暗両義 → メロディ次第で明るくも暗くも聴こえる。
分析メモ
- J-POP王道進行 Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm。本書の核。Ⅲm→Ⅵm が短調側の2-5的引力を持ち、繰り返しが極めて自然。
- 明暗が拮抗しているため“メロで色が決まる”。No.48〜51 は全部この派生。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「J-POP王道進行」を柔らかくした進行
用途:王道の柔化版
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「J-POP王道進行」の誕生形/分数コードにより展開が緩やかに
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ/Ⅳ・Ⅲm・Ⅵm(F・G/F・Em・Am)
ポイント
- No.47 の2つ目 Ⅴ を分数コード Ⅴ/Ⅳ に置換。Ⅳ→Ⅴ/Ⅳ でベースが Ⅳ に留まる。
- ベースが動かないぶん展開が緩やかになり、少しだけ柔らかい印象に。
- No.47 と自由に交換可能。部分的に差し替えて緩急を付ける常套手段。
分析メモ
- 王道進行の2つ目を Ⅴ/Ⅳ(オンコード) に。ベースが Ⅳ に留まる=推進が緩み柔らかくなる。
- No.47 と完全互換。差し替えで“タメ”を作る引き出し。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「J-POP王道進行」のあっさりバージョン
用途:王道の簡素版・どこでも
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
「J-POP王道進行」の派生形/やや暗くストレートであっさりした雰囲気
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm(F・G・Am)
ポイント
- No.47 (Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm) の Ⅲm を省いた形。結論を早く言うようなストレートであっさりした印象。
- コードの種類が一つ少なく Ⅵm までの道のりが短いため、こちらの方がやや暗く感じさせやすい。
- 「USA」(DA PUMP) のようなノリのよいダンスミュージックにもよく合う。
分析メモ
- 王道進行から Ⅲm を抜いた3コード版。Ⅴ→Ⅵm の偽終止が即座に来るので“切なさへの着地”が早い=やや暗く感じる、という本書の指摘どおり。
- 3コードでループするぶん反復に強く、ダンス/4つ打ちと好相性。Ⅵm を Ⅵm7 にしたり経過音を足すと表情が出る。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「J-POP王道進行」の繰り返し特化バージョン
用途:王道の反復強化版・どこでも
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解説を読む
「J-POP王道進行」の派生形/順番を入れ替えたことで繰り返しへの期待感がアップ
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅲm(F・G・Am・Em)
ポイント
- No.47 の Ⅲm と Ⅵm を入れ替えた形。全体の雰囲気・使い方はあまり変わらない。
- 最後の Ⅲm が次の頭の Ⅳ の隣のコードになるため、繰り返しへの期待感が高い。
- 反復を止めたいときは Ⅲm を省いた No.49 の形に。Ⅲm は ときどき Ⅰ や Ⅲ に置換すると曲調に変化が付く。
分析メモ
- 王道進行の語順だけ替えた“Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲm”。末尾 Ⅲm が頭 Ⅳ の半音上→全音下…という近接で繋がり、ループの吸引力が No.47 より強い。
- 「紅蓮華」2巡目の #Ⅴdim(D#dim) は Ⅴ→Ⅵm の橋渡し(経過減和音)。同じ枠を一度だけ彩る常套句。
- 末尾 Ⅲm を Ⅰ/Ⅲ に替えれば明るく、Ⅲ7 に替えれば Ⅵm への引力が増す。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「J-POP王道進行」を切なくした進行
用途:王道の切なく版・どこでも
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
「J-POP王道進行」の派生形/パッシングディミニッシュによって切ない雰囲気に
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅴ#dim・Ⅵm(F・G・G#dim・Am)
ポイント
- No.47 (Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm) の3つ目のコードを Ⅴ#dim に置き換えた形。Ⅴ・Ⅴ#dim・Ⅵm のように半音ずつせり上がる形を「パッシングディミニッシュ」と呼ぶ。
- 徐々にせり上がる音によって緊張感のある切なさが出る。No.47 から少し雰囲気を変えたいときによく使われる、覚えておきたい進行。
- Ⅴ#dim の部分は、ほぼ同じ構成音の Ⅲ/Ⅴ#(オンコード) で代用することも多い。
分析メモ
- 王道進行 Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm の Ⅲm を Ⅴ#dim に差し替えた形。Ⅴ(G)→Ⅴ#dim(G#dim)→Ⅵm(Am) とベースが G→G#→A と半音でせり上がり、Ⅵm への到達に強い引力と切なさが乗る。
- Ⅴ#dim(G#・B・D・F) は Ⅲ7=E7(E・G#・B・D) と3音共有。だから「サボテン」のように Ⅲ/Ⅴ#(E/G#)や Ⅲ7 で置き換えても同じ“せり上がり”が作れる。
- passing dim は1拍〜半小節の通過和音。長く居座らせず Ⅵm へ素早く解決させるのがコツ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
暗く終わると見せかけて明るくなる進行
用途:明暗コントラスト・どこでも
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
明暗のコントラストが強い進行/明るさ・暗さどちらも感じさせるためお得感あり
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅰ(F・G・Am・C)
ポイント
- No.49 のあっさりバージョン(Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm)の後に Ⅰ を加えた形。
- 短調トニックの Ⅵm で終わると思わせてから長調トニックの Ⅰ へ進むため、明暗のコントラストが強めに出る。
- 暗さも明るさもどちらも感じさせるお得な進行。Ⅰ が後にあるぶん、明るさのほうがやや強めに残る。
分析メモ
- No.49(Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm)に Ⅰ を足した4コード型。Ⅵm→Ⅰ は短調トニック代理→長調トニックで、共有音(C・E)を残したまま“暗→明”へ反転する。偽終止の逆を行く“どんでん返し”。
- ループさせると Ⅰ→(頭)Ⅳ となり、王道のサブドミナント始動へ滑らかに戻る。明るく終わるので終止にも循環にも使える。
- 「打上花火」は Ⅵm7・Ⅰ を毎小節後半に置く密な反復型。「怪獣の花唄」1巡目末の Ⅰ/Ⅲ(D/F#) はベースを F# に置いて次の Ⅳ(G) へ半音で繋ぐ経過。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
暗さの後に希望の光が見える進行
用途:明暗の起伏・Bメロ等
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
暗さの後に少しポジティブさが感じられる進行/繰り返したときに意外性が出る
原本の具体例:Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅱ(F・G・Am・D)
ポイント
- No.49 のあっさりバージョン(Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm)の後に Ⅱ を加えた形。
- 暗い響きの Ⅵm の後に、ポジティブさを感じさせる Ⅱ の響きが来るため、感情の起伏が大きめな進行になる。
- 繰り返すと継ぎ目が Ⅱ→Ⅳ というやや珍しい動きになり、少し意外性が出る。使用例は多くないが魅力的。
分析メモ
- あっさり王道(Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm)の着地を Ⅰ でも Ⅵm維持でもなく Ⅱ(D)=V/V(ドッペルドミナント) に飛ばす型。Ⅱはダイアトニック外(F#♮を含む)で、暗い Ⅵm の直後に差すと“急に光が差す”ような明度上昇になる。
- ループ時の Ⅱ→Ⅳ(D→F)はルートが長3度上行する非定型進行。これが本書のいう「やや珍しい・意外性」の正体。
- 「カワキヲアメク」は後半で Ⅱ を Ⅲ7 に替えて推進を強化。「When I Was Your Man」は Ⅱ を Ⅱ7 にし、Ⅳ△7→Ⅳm(サブドミナントマイナー)へ繋ぐ王道の泣かせ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
平行移動で落ちてゆくユルい進行
用途:変化球・Bメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
同じ動きを繰り返しながら半音ずつ下がっていく進行/何度も繰り返して更に下がっていくことも可能
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲm・Ⅲ♭・Ⅱm(F・Em・E♭・Dm)
ポイント
- ルートが半音ずつ下がる動きを繰り返す、独特な脱力感のある進行。やや“変化球”な印象なので Bメロなどで使うと有効。
- サンプル曲・参考曲のように、コード進行の動きに合わせてメロディも平行移動させると“ユルい”感じが出せる。
- Ⅳ・Ⅲm・Ⅲ♭・Ⅱm・Ⅱ♭・Ⅰm… とさらに半音で下がり続けることもできる。
分析メモ
- ルートを半音ずつ下げる平行進行(全和音クリシェ)。コード機能(T/SD/D)で進むのではなく“同じ形のブロックを半音スライド”させるので機能感が薄れ、脱力・浮遊する。
- head4和音 Ⅳ・Ⅲm・Ⅲ♭・Ⅱm は F→Em→E♭→Dm(長・短・長・短と質を替えつつ半音下行)。参考2曲はこれを Ⅰm(Am/Fm)まで延長した実例。
- メロも同じ音程関係で平行移動させるのがコツ(本書指定)。下行を止めたい所で Ⅵm や Ⅰm に着地させれば切り上げられる。No.42(Ⅳ-Ⅲm-Ⅱm-Ⅰ 順次下行)の“半音版・脱力版”と捉えると位置づけが見える。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
J-POPの新定番「丸の内進行」
用途:大人っぽい・丸サ進行・どこでも
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
J-POPで人気が高まっている進行の一つ/大人っぽい響きとスムーズな動きをもつ
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅰ7(F・E7・Am・C7)
ポイント
- 「丸ノ内サディスティック」(椎名林檎) でほぼ1曲を通して使われていることから「丸の内進行」「丸サ進行」と呼ばれる。都会的で少し影のある、大人っぽい雰囲気をもつ近年注目の進行。
- Ⅳ→Ⅲ7 と下がるときの脱力感、Ⅲ7→Ⅵm の切ない感じ、Ⅰ7 からはじめの Ⅳ に戻るときのスムーズな展開感など、特徴的なギミックが多く聴きごたえがある。
- ノンダイアトニックの Ⅲ7(セカンダリードミナント) と Ⅰ7 が大人っぽさの核。普通の Ⅲm/Ⅰ では出ない“都会的な濁り”が生まれる。
分析メモ
- Ⅳ△7-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅰ7 のループ。王道進行(Ⅳ-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm)に対し、Ⅲ→Ⅵ を「Ⅲ7→Ⅵm」というセカンダリードミナント解決(Ⅴ7ofⅥ→Ⅵm)に置き換えたのが切なさの源。Ⅲ7 が含む G#(♯Ⅴ) が Ⅵm の A へ半音で吸い込まれる。
- ループ末の Ⅰ7 はトニックではなく Ⅴ7ofⅣ(Ⅳへのドミナント) として働く。だから頭の Ⅳ△7 へ強進行で戻れて“延々回せる”。ジャズの I7→IV と同じ理屈で、ここが「スムーズに戻る」正体。
- 全コードが7thを持つので響きがリッチでアーバン。テンション(9th等)を足すとよりシティポップ化する。Key=Cでの実音は F△7-E7-Am7-C7。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「Just the Two of Us 進行」
用途:丸の内の発展形・ツーファイブ・どこでも
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解説を読む
「丸の内進行」の派生形/ツーファイブの動きにより更にスムーズさがアップ
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅴm7・Ⅰ7(F・E7・Am・Gm7・C7)
ポイント
- 「Just The Two Of Us」(Grover Washington Jr.) で使われることから「Just The Two Of Us進行」「Just進行」と呼ばれる。
- 形としては「No.55 丸の内進行」の Ⅰ7 の部分を Ⅴm7・Ⅰ7(借用ツーファイブ)に分割したもの。大きく雰囲気は変わらないが、最初の Ⅳ へ戻ろうとする動きがよりダイナミックになりスムーズさが増す。
- 「丸の内進行」から変化を与えたいときに差し込むのも効果的。
分析メモ
- No.55(丸の内)の Ⅰ7 を Ⅴm7-Ⅰ7 に割った形。Ⅴm7(Gm7)→Ⅰ7(C7) は「Ⅳへ向かうツーファイブ(IIm7-V7 of Ⅳ)」。Ⅳ(F) を一時的トニックと見た時の 2-5 で、戻りの推進力が一段強くなる。
- Ⅴm7 は本来ダイアトニックの Ⅴ(G/メジャー)を マイナー化した借用和音。これで Ⅰ7 の前に“暗い助走”が付き、丸の内より影が濃く奇抜さが増す(param 奇抜さ4)。
- 「つつみ込むように…」のように Ⅲ7 の前に Ⅲ7sus4 を置くと、sus4→3rd の解決でさらに粘りが出る。MISIA版はサビ全体がこのループで回る好例。Key=C実音は F△7-E7-Am7-Gm7-C7。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「丸の内進行」のポジティブバージョン
用途:丸の内の明るい版・意外性・Bメロ等
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解説を読む
「丸の内進行」の中にポジティブな響きを入れたバージョン/繰り返し部分に意外性が出る
原本の具体例:Ⅳ・Ⅲ7・Ⅵm・Ⅱ(F・E7・Am・D)
ポイント
- 「No.55 丸の内進行」の Ⅰ7 の部分を Ⅱ に変更した形。Ⅱのポジティブで明るい響きが、暗めの前半とのギャップを生み、コントラストの強い進行になる。
- 繰り返して使うと継ぎ目が Ⅱ→Ⅳ というあまり使われない動きになり、ちょっとした意外性が出せる。
- 「No.55 丸の内進行」「No.56 Just the Two of Us進行」から変化を出したいときに差し替えるのも効果的。
分析メモ
- 丸の内(Ⅳ-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅰ7)の着地 Ⅰ7 を Ⅱ(D) に差し替えた形。Ⅱ=Ⅴ7ofⅤ(ドッペルドミナント)でダイアトニック外(F#♮を含む)。暗い Ⅵm の直後に差すと“急に光が差す”明度上昇になる。No.53(Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅱ)の“丸サ版”とも言える。
- ループ時の Ⅱ→Ⅳ(D→F)はルートが短3度上行する非定型進行=本書の言う「意外性」。
- 譜例は Ⅱ を Ⅱ7(D7) で voicing。Ⅱ7化すると次の Ⅳ への推進が増す。参考「もし君を許せたら」は Ⅶ7/Ⅱ#(A7/C#) 等のセカンダリードミナントを足して展開。Key=C実音は F△7-E7-Am7-D(7)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
寂しさと優しさが合わさった進行
用途:サブドミナントマイナー・バラード・サビ終わり/エンディング
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複雑な感情を歌う進行/バラードなどに向いている
原本の具体例:Ⅳ・Ⅳm・Ⅰ(F・Fm・C)
ポイント
- Ⅳ(サブドミナント)が同主短調から借りた Ⅳm(サブドミナントマイナー) に変化して Ⅰ へ進む形。寂しさと優しさが合わさったような複雑な印象の響き。
- バラードや、Bメロ・サビ終わり・エンディングなどを少し変わった印象に変えたいときに向く。
- 魅力的な響きだが、カッコいい曲調・暗い曲調にはあまり合わないので使いどころに注意。
分析メモ
- Ⅳ→Ⅳm→Ⅰ のサブドミナントマイナー終止(SDmクリシェ)。Ⅳm(Fm)はKey=Cに対し同主短調Cマイナーからの借用和音。Ⅳm の ♭6(A♭)→Ⅰの5th(G) へ半音下降する声部が“泣き”の核。
- J-POP/歌謡の定番感傷ギミック。Ⅰ の直前に置くと優しく切なく解決する。明るすぎず暗すぎない“ほろ苦さ”が出る。
- 参考3曲とも Ⅳ-Ⅳm-Ⅰ をサビ後半/Bメロの山場に配置。「贈る言葉」「時代」は昭和歌謡の王道使用例。Key=C実音は F-Fm-C。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
あらゆる個性的な派生パターンに繋がる進行
用途:派生の起点・個性出し・上級
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様々な派生パターンに繋がる進行/個性的な進行を生み出せる
原本の具体例:Ⅳ・Ⅳm・Ⅲm(F・Fm・Em)
ポイント
- Ⅳ(サブドミナント)が同主短調から借りた Ⅳm(譜例では Ⅳm6) に変化し、そのまま Ⅲm へ下がる形。ここから先の展開が曲ごとに大きく分かれる“派生の起点”になる。
- Ⅲm の後の動きは様々。「カブトムシ」(aiko)はさらに下行、「キューティーハニー」(倖田來未)は急に Ⅴm7 へ、「Mela!」(緑黄色社会)は Ⅲ7 の転回形へ進むなど、いずれも個性的。
- 使いどころは少し難しいが、上手く使えればユニークで個性的な進行を生み出せる。
分析メモ
- Ⅳ-Ⅳm-Ⅲm。前半は No.58 と同じ SDmクリシェ(Ⅳ→Ⅳm の ♭6→5 半音下降)だが、解決先を Ⅰ ではなく Ⅲm にずらした“宙吊り”版。だから多彩な派生に開かれる。Key=C実音は F-Fm-Em。
- Ⅲm はトニック代理(Ⅰの3rd・5thを共有)。Ⅳm の暗さを受けつつ完全には解決しないため、続きの取り方で曲の性格が決まる。
- 派生の典型:①カブトムシ=Ⅰm/♭Ⅲ へさらに下行、②キューティーハニー=Ⅴm7-Ⅰ7(ドミナント化して次へ)、③Mela!=Ⅲ7 転回でセカンダリードミナント化し Ⅵm へ。どれも“Ⅲm の後どこへ行くか”の違い。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
徐々にせり上がる音にゾクゾクする進行
用途:パッシングディミニッシュ・バラード・サビ中盤
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ルートが半音ずつ上がっていく「パッシングディミニッシュ」の一種/バラードと相性は◎
原本の具体例:Ⅳ・Ⅳ#dim・Ⅴ・Ⅴ#dim・Ⅵm(F・F#dim・G・G#dim・Am)
ポイント
- ルートが半音ずつ上がっていく 「パッシングディミニッシュ」を2連続 させる進行。少し使いどころを選ぶが、ゾクゾクするような緊張感のある響きが印象的。
- 「ひまわりの約束」(秦基博)のようにサビ中盤で使ってもよく、Bメロ終わり〜サビ頭で使うのもかっこよく決まる。
- Ⅳ#dim は Ⅱ/Ⅳ#、Ⅴ#dim は Ⅲ/Ⅴ# などで代用してもほぼ同じ響きが得られる。
分析メモ
- Ⅳ-(Ⅳ#dim)-Ⅴ-(Ⅴ#dim)-Ⅵm のパッシングディミニッシュ2連。Ⅳ#dim・Ⅴ#dim はコード間を半音で繋ぐ“経過減和音”で、ベースが F→F#→G→G#→A と半音階で上行する。この“せり上がり”が緊張=ゾクゾクの正体。Key=C実音は F-F#dim-G-G#dim-Am。
- 代用:Ⅳ#dim≒Ⅱ7/Ⅳ#(D7系のセカンダリードミナント)、Ⅴ#dim≒Ⅲ7/Ⅴ#。dim はその短3度上のドミナント7thと構成音をほぼ共有するため差し替えても響きが近い。「透明人間」はまさに dim を分数のセカンダリードミナント(E/G#・F#/A#)で書いた例。
- 明るさ1・暗さ4だがメジャーキーの定番ギミック。バラードのサビ中盤やBメロ終わりの“ひと押し”に向く。半音上行を活かすため上モノ(メロ/内声)も滑らかに繋ぐと効果大。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
歌謡曲風のBメロ進行
用途:歌謡曲風Bメロ・ドミナントモーション2連・力強い
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ドミナントモーションを2回繰り返す力強い進行/歌謡曲風のメロディが得意
原本の具体例:Ⅴ7・Ⅰ・Ⅲ7・Ⅵm(G7・C・E7・Am)
ポイント
- Ⅴから始まるという珍しい進行。歌謡曲のような曲調の Bメロ で使われることが多い。
- Ⅴ7→Ⅰ は長調、Ⅲ7→Ⅵm は短調のドミナントモーション。力強い動き(強進行)を2回連続で行うため、とても分かりやすい派手さがある。
- Ⅴ7・Ⅰ 部分と Ⅲ7・Ⅵm 部分で 同じようなメロディ形(シーケンス) を使うと、歌謡曲っぽさがアップする。
分析メモ
- Ⅴ7-Ⅰ-Ⅲ7-Ⅵm。長調側のドミナントモーション(Ⅴ7→Ⅰ)に、短調側のドミナントモーション(Ⅲ7→Ⅵm)を重ねた二段構え。Ⅲ7 は Ⅵm へのセカンダリードミナント(Ⅴ7/Ⅵm)、Ⅵm は Ⅰ の平行短調のトニック。Key=C実音は G7-C-E7-Am。
- Ⅴ から始まるのは珍しく、強進行(完全4度上行=5度下行)の“解決”を2回連続させるため推進力が強い。前半(長調)と後半(短調)で明暗が切り替わるのが歌謡曲のBメロらしさ。
- 参考曲は前半 Ⅴ7-Ⅰ-Ⅲ7-Ⅵm をほぼそのまま使い、後半で Ⅱm7 や Ⅴ・Ⅳ などへ展開してサビへ繋ぐ形が多い。メロディを前半・後半で同型にする(シーケンス)と歌謡曲っぽさが増す。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
全音上スケールへの転調のきっかけとなる進行
用途:転調のきっかけ・Bメロ終わり・上級
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全音上のスケールに転調するための進行/いくつかの派生パターンあり
原本の具体例:Ⅴ・Ⅵ(G・A)
ポイント
- ドミナントコードである Ⅴ から突然 長三和音の Ⅵ へ移動することで、全音上のスケールへの転調のきっかけ になる進行。主にBメロの終わりで使われる。
- 「We Are the Champions」(QUEEN)のように、Ⅵ の部分で長めの溜めを作ってから Ⅵ→次キーへ移動すると、強い高揚感を表現できる。
- Ⅵ の部分は Ⅵ7・Ⅴ/Ⅵ などのコードもしくは形が使われることもあるが、転調の手段として使われるという点は変わらない。
分析メモ
- Ⅴ-Ⅵ。本来ダイアトニックには無い動き(Ⅵ は通常 Ⅵm)。Ⅴ(ドミナント)から長三和音の Ⅵ へ跳ぶことで、Ⅵ を新キーの Ⅴ(または Ⅴ7)に読み替え、全音上のスケールへ転調するピボット になる。Key=C実音は G→A。Ⅵ=A を新キー Dメジャーの Ⅴ と見れば、C→D へ全音上の転調。
- Ⅵ は Ⅵ7(=新キーの Ⅴ7) や Ⅴ/Ⅵ(分数)で書かれることも多い。譜例の末尾も G→A7(Ⅴ→Ⅵ7)で、A7 が次の Dメジャーの Ⅴ7 として機能する形。
- 「We Are the Champions」は Ⅵ の手前で溜め(Ⅴの連続)を作り Ⅵ7 で一気に持ち上げる典型。「銀河鉄道999」「黄昏ロマンス」も Bメロ終端に Ⅴ→Ⅵ(7) を置きサビ/転調へ橋渡しする。転調まで行かず半音上行的な高揚だけ借りる使い方も可能。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
飾らない切なさをもった進行
用途:飾らない切なさ・バンド/アコースティック・サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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柔らかな響きをもった切ない進行/バンドものやアコースティックなアレンジに合う
原本の具体例:Ⅵm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅰ(Am・Em・F・C)
ポイント
- ナチュラルさと飾らない切なさをもった進行。近年は使用頻度がやや低くなる傾向だが、今でもサビなどに使えるだけの力強さを秘めている。
- EDMなどのデジタルっぽいアレンジよりも、バンドものやアコースティックな雰囲気のアレンジに合う。
- 前半の Ⅵm・Ⅲm(マイナーコードの連続) が、Ⅵm からすぐメジャーへ動く進行に比べて少し柔らかい印象を与える。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅰ。平行短調のトニック Ⅵm から始まり、Ⅲm(これもマイナー)を経て Ⅳ-Ⅰ で着地。マイナーコードを2つ連続させてからメジャーへ抜ける形。Key=C実音は Am-Em-F-C。
- 冒頭の Ⅵm→Ⅲm(マイナー連続)が「飾らない切なさ」の核。Ⅵ mからいきなりメジャーへ動く進行より湿った柔らかさが出る。サビ・Aメロどちらでも使える。
- 参考曲はいずれも Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅰ を骨格にし、後半で Ⅴ/Ⅶ・Ⅱm7 などを足してフレーズを締める。バンド/アコースティック系の定番。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
切なさと力強さをあわせもつ進行
用途:切なさ+力強さ・前向き・サビ
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「飾らない切なさ」の派生形/より積極性が増した雰囲気に
原本の具体例:Ⅵm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ(Am・Em・F・G・C)
ポイント
- 「No.63 飾らない切なさをもった進行」に Ⅴ を加えた形。もとの形と大きく雰囲気は変わらないが、Ⅴ→Ⅰ のドミナントモーション が加わった分、積極性・力強さが増す。
- ナチュラルな切なさに前向きさが加わる。No.63 が“静”なら No.64 は“動”の関係。
- 通常、Ⅳ・Ⅴ の部分は短いリズムで(1小節に詰めて)コードチェンジ することが多い。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ。No.63 の Ⅳ-Ⅰ の間に Ⅴ を差し込み、Ⅴ→Ⅰ のドミナントモーションで明確に解決させた“力強い”版。Key=C実音は Am-Em-F-G-C。
- Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ のカデンツが入ることで切なさに前向きさ・推進力が加わる。Ⅳ・Ⅴ は1小節に詰めて短いリズムで切り替えることが多い(参考曲も Ⅳ・Ⅴ が同一小節)。
- 「3月9日」「I Believe」「さよならエレジー」いずれもサビで Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ を回す王道。No.63 と対(静/動)の関係。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
暗さの後にダイナミックさを見せる進行
用途:サビ・イントロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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暗い展開の後に力強い動きが来る進行/繰り返すとやや意外性が出せる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳ・Ⅱm・Ⅴ(Am・F・Dm・G)
ポイント
- 前半 Ⅵm→Ⅳ→Ⅱm は3度ずつ下がる暗く沈んだ響き、後半の Ⅱm・Ⅴ(ツーファイブ)でダイナミックに転換。前半/後半のコントラストが強い。
- 繰り返すと継ぎ目が
…Ⅴ・Ⅵm…になり、Ⅴ→Ⅵm の偽終止でやや意外性が出る。 - 「The Final Countdown」(Europe) はこの進行の後に Ⅲ7/♯Ⅴ(=Ⅴ/Ⅵm の二次ドミナント) を挟んで切なさを強調している。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅴ(Key=C実音は Am-F-Dm-G)。頭3つが3度ずつ下降(Am→F→Dm)で暗く沈み、締めの Ⅱm-Ⅴ がツーファイブで動的。静→動の落差が肝。
- ループ時は末尾 Ⅴ が頭 Ⅵm に接続して Ⅴ→Ⅵm の偽終止を作る。解決しかけて回避するので回り続ける。
- No.66 と対:頭 Ⅵm-Ⅳ-Ⅱm は共通で、締めが No.65=Ⅴ(ダイアトニックのドミナント)、No.66=Ⅲ7(二次ドミナント)。No.65 は Ⅴ で一旦外へ開くぶんダイナミック。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
暗くもどかしい雰囲気を感じる進行
用途:イントロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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繰り返しメロディが使いやすいダークな進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳ・Ⅱm・Ⅲ7(Am・F・Dm・E7)
ポイント
- Ⅵm→Ⅳ→Ⅱm と3度ずつ下降した後、二次ドミナント Ⅲ7(=Ⅴ7/Ⅵm, E7→Am)で頭の Ⅵm に戻り、タイトにループする。
- 暗くもどかしいダークな雰囲気。共通音が多く声部の動きが小さいので、繰り返しのリフ/メロディが乗せやすい(中毒性)。
- ロックのイントロなど、同じリフを回す場面に向く。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅲ7(Key=C実音は Am-F-Dm-E7)。頭は No.65 と同じ3度下降だが、締めが Ⅲ7=Ⅴ7/Ⅵm(E7→Am の二次ドミナント)。ダイアトニック外の E7 が強い牽引で頭の Ⅵm へ戻し、タイトな無限ループになる。
- Ⅲ7 は Ⅵm への二次ドミナントなので、ダイアトニックの Ⅴ で開く No.65 より閉じた・もどかしい手触り。
- 参考曲はいずれもイントロ(不可幸力/星空のディスタンス)。共通音が多くリフ反復に好適。No.65 と対(Ⅴ止め/Ⅲ7止め)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ストレートで力強い「小室進行」
用途:サビ・イントロ
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J-POPなどで頻出する力強い定番進行/使い方次第で切ない曲調にも対応
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ(Am・F・G・C)
ポイント
- 80〜90年代に小室哲哉が多用し次々とヒットを生んだことから 「小室進行」 と呼ばれる定番。現在でもJ-POP・アニソンで頻出する。
- はじめの Ⅵm 以外はすべてメジャーコード。やや暗い印象をもちながらも力強い雰囲気。スローテンポでじっくり鳴らせば「楓」(スピッツ)のような切ない曲にも対応する。
- 循環させて使う際は、Ⅰ の後に Ⅴ/Ⅶ など を挟んで頭の Ⅵm へ戻すことがある。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ(Key=C実音は Am-F-G-C)。平行短調のトニック Ⅵm から入り、Ⅳ を経て Ⅴ→Ⅰ のドミナントモーション で明確に解決する。頭のマイナー1つ以外は全部メジャーなので、暗さと力強さが同居する。
- No.65(Ⅵm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅴ)との違い:No.65 は Ⅱm-Ⅴ のツーファイブで開いたまま終わるが、No.67 は Ⅴ-Ⅰ で閉じる。着地する分こちらの方が“定番の力強さ”が出る。
- この進行群のハブ。Ⅰを Ⅵm に変えると No.68、Ⅳを Ⅱm/Ⅱに変えると No.69/No.71、ⅤとⅠを入れ替えると No.70 と、多数の派生を生む骨格。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「小室進行」のシンプルバージョン
用途:Aメロ・地味にまとめたい場面
キーを選ぶと具体音を表示します。
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Ⅰに着地しない「小室進行」/コードの種類が減った分だけ展開がシンプルに
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm(Am・F・G・Am)
ポイント
- 「No.67 ストレートで力強い『小室進行』」の Ⅰ を Ⅵm に変更 した形。もとの Ⅴ→Ⅰ の力強さが失われ、暗いところに留まり続けるような印象になる。
- コードの種類が減った分だけ展開がシンプルになるので、あえて地味にまとめたいとき にも役立つ。
- No.67 とあわせて使う(前半シンプル→後半でⅠ着地)のもOK。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm(Key=C実音は Am-F-G-Am)。No.67 の締め Ⅰ(C) を Ⅵm(Am) に差し替えただけ。Ⅴ→Ⅵm は 偽終止 なので、解決しかけて回避し、トニックへ落ちきらない。
- Ⅰに着地しないぶん明度が上がらず、暗さの中を回り続ける手触り。コードが3種類(Am/F/G)に減り展開が最小限になる=地味に沈めたい場面向き。
- No.67 と対(Ⅰ止め=解決/Ⅵm止め=未解決)。似ている進行に No.49(カノン系)も挙げられる近縁。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「小室進行」の歌謡曲風バージョン
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
歌謡曲っぽい雰囲気になった「小室進行」/渋さと力強さがアップ
原本の具体例:Ⅵm・Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ(Am・Dm・G・C)
ポイント
- 「No.67」と雰囲気は似るが、Ⅳ を Ⅱm に変更。やや渋みが増して歌謡曲っぽさが強くなる。「インフルエンサー」(乃木坂46)のようなラテン系アレンジがよく合う。
- 後半の Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ がツーファイブワン の形になっているため、力強さが強化される。
- そのぶん少し古臭い印象になることもあり、No.67 に比べて耳にする機会はそれほど多くない。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ(Key=C実音は Am-Dm-G-C)。No.67 の Ⅳ(F) を Ⅱm(Dm) に替えた形。後半が Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ の完全なツーファイブワン になり、ジャズ・歌謡曲的な推進力が出る。
- Ⅳ→Ⅱm の差し替えでベースが F から D に下がり、より“動く”和声になる。ラテン/歌謡曲アレンジと相性が良い反面、古典的な響きゆえ古臭くも聞こえやすい。
- No.71 と対:No.71 は同じ枠の Ⅱm を Ⅱ(メジャー) にして都会的にした版。No.69 のマイナーⅡが渋さ、No.71 のメジャーⅡが垢抜けを担う。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「小室進行」のロック特化バージョン
用途:サビ・イントロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
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「小室進行」の順番を入れ替えた形/理論から外れたロック的な雰囲気がアップ
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳ・Ⅰ・Ⅴ(Am・F・C・G)
ポイント
- 「No.67」の Ⅴ と Ⅰ を入れ替えた 形(Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ)。ただ入れ替えただけに見えて雰囲気は大きく変わる。
- Ⅳ→Ⅰ と Ⅰ→Ⅴ はどちらも「変進行」(ドミナントを介さない動き)で、教科書的な理論から外れたロック感を生む。「前前前世」(RADWIMPS)のようなスピーディーなロックによく合う。
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ の頭3つは共通音が多く、繰り返しメロディが乗せやすい。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ(Key=C実音は Am-F-C-G)。No.67 の後半 Ⅴ-Ⅰ を Ⅰ-Ⅴ に反転。Ⅴ で終わるので解決せず、次のループ頭 Ⅵm へ Ⅴ→Ⅵm の偽終止 で回り続ける。
- Ⅳ-Ⅰ(プラガル的)と Ⅰ-Ⅴ の連続はいわゆる 変進行(ドミナント→トニックの強進行を避けた動き)。この“収まりの悪さ”がロック的な推進力と反復性を生む。
- 頭 Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ は No.67 と共通で共通音が多くリフ反復向き。No.67=Ⅴで閉じる/No.70=Ⅴで開くの対。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「小室進行」を都会的にしたバージョン
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
都会的な印象になった「小室進行」/ポジティブな雰囲気のサウンド
原本の具体例:Ⅵm・Ⅱ・Ⅴ・Ⅰ(Am・D・G・C)
ポイント
- 「No.67」の Ⅳ を Ⅱ(メジャー) に変えた進行(=No.69 の Ⅱm をメジャーにした形)。歌謡曲っぽさが抜けて モダンで都会的なサウンド になる。
- Ⅱ・Ⅴ を Ⅱ7・Ⅴ7 のダブルドミナント(Ⅱ7=Ⅴ7/Ⅴ, D7→G7→C)にすると、よりスムーズでポジティブな印象に。
- 「ズッコケ男道」(関ジャニ∞)の熱い曲調から「Take On Me」(a-ha)のクールな曲調まで幅広く対応する。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(Key=C実音は Am-D-G-C)。No.69 の Ⅱm(Dm) を Ⅱ(D、メジャー) に変えた形。この Ⅱ は Ⅴ への二次ドミナント(Ⅴ7/Ⅴ=ダブルドミナント) で、D→G→C と5度圏を滑り降りる。
- ダイアトニックの Dm を非ダイアトニックの D に置換したことで、暗い歌謡曲調(No.69)が明るく垢抜けた都会的サウンドに変わる。Ⅱ7・Ⅴ7 とすればさらにスムーズ。
- No.69 と対(Ⅱm=渋い歌謡/Ⅱ=都会的)。No.67 系の“Ⅳ差し替え”ファミリー(Ⅳ→Ⅱm=69/Ⅳ→Ⅱ=71)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
弱々しさと力強さが合わさった進行
用途:Aメロ・サビ(万能)
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
暗く弱々しい動きの後に力強い響きが来る進行/どんな場面でも使いやすい
原本の具体例:Ⅵm・Ⅴ・Ⅳ・Ⅰ(Am・G・F・C)
ポイント
- マイナーコードから Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ と順次下降(弱々しい動き)した後、Ⅰ で力強さを取り戻す。
- 前半の下降は後ろめたさ・やるせなさを、後半の Ⅰ は力強さを感じさせる。前半は静かな場面に、後半のおかげでサビにも使える。
- 前半/後半のコントラストで どんな場面でも使える万能進行。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅴ-Ⅳ-Ⅰ(Key=C実音は Am-G-F-C)。頭3つがベース A→G→F の 順次下降 で沈み込み、締めの Ⅳ→Ⅰ(プラガル)で持ち上げる。下降=弱さ/Ⅰ着地=力強さ の落差が肝。
- 同じ Ⅵm 始まりでも No.65 は3度下降(Am-F-Dm)で飛ぶのに対し、No.72 は2度ずつの順次下降で滑らかに沈む。締めが Ⅴ-Ⅰ ではなく Ⅳ-Ⅰ なので、力強さの中にも柔らかさが残る。
- No.73 と対:No.73 は締めを Ⅰ でなく Ⅴ に戻して未解決ループにした憂鬱版。No.72 は Ⅰ で解決するぶん万能で明るい。
参考曲
- 「深愛」(柴咲コウ)|サビ(Cメジャー / Aマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
- 「猫になりたい」(スピッツ)|Bメロ(Eメジャー / C#マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
行ったり来たりの動きが憂鬱な進行
用途:Aメロ(静か・反復)
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
下がった後、同じところにまた戻ってくる暗い進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅴ・Ⅳ・Ⅴ(Am・G・F・G)
ポイント
- マイナーの暗さから始まり、Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ と順次下降した後、Ⅴ に戻る。基本的に何度も繰り返して使う。
- 煮えきらない気持ちで 行ったり来たりしている ような印象。大きな起伏も特殊なコードもないので、Aメロなど静かな場面 に向く。
- 締めの Ⅴ は Ⅲm/Ⅴ など似た形の分数コードで代用 してもよい。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅴ-Ⅳ-Ⅴ(Key=C実音は Am-G-F-G)。No.72 の締め Ⅰ(C) を Ⅴ(G) に差し替え、Ⅳ→Ⅴ で下がりきらずに戻る。解決しない 行き来(ペンデュラム) が“憂鬱”の正体。
- 特殊コードなし・起伏小のためループさせても飽きにくくAメロ向き。締め Ⅴ は Ⅲm/Ⅴ(Em/G 系)で代理可=機能を保ったまま色を変えられる。
- 「Smooth Criminal」は末尾を Ⅴ でなく Ⅲ7(E, Ⅵmへの二次ドミナント) にして牽引を強めた変形。No.72 と対(Ⅰ解決/Ⅴ未解決)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
スパイ映画のようなスリリングなクリシェ
用途:Aメロ(独特・スリリング)
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
クリシェの一種/暗躍するような印象の独特な進行
原本の具体例:Ⅵm・Ⅵm(♯5)・Ⅵm6・Ⅵm(♯5)(Am・Am(♯5)・Am6・Am(♯5))
ポイント
- 闇に紛れて暗躍するイメージのスリリングな クリシェ。Cメジャー/Aマイナーなら Am(ミ)→Am(♯5)(ファ)→Am6(ファ♯)→Am(♯5)(ファ) と、内声だけが半音で上下 する。
- 「The James Bond Theme」(John Barry)の進行と言えば大抵伝わる、独特の響き。
- あまり使われないぶん かなり奇抜で独特の雰囲気 が出せるが、メロディはかなり付けづらい ので注意。
分析メモ
- Ⅵm を保持したまま第5音が E→F→F♯→F と動くオーグメント・クリシェ(Am→Am(♯5)→Am6→Am(♯5))。根音と3度は固定、内声だけがにじり動くので、不穏で“暗躍”する独特の緊張感が出る。
- Am(♯5)=A-C-F(=ミが半音上がってファ)、Am6=A-C-F♯(さらに半音上)。半音の上下が James Bond テーマそのもの。ダイアトニック外の音が常時鳴るため奇抜さ最大・使いやすさ最小。
- 「永遠の不在証明」は同じ形を Ⅵm と Ⅱm で2回並べ、締めに Ⅲ7 で Ⅵm へ戻す。動くのが内声のクリシェ族で、ベースが動く No.83/No.84(ベースラインクリシェ)と対をなす。
参考曲
- 「The James Bond Theme」(John Barry)|Aメロ(Cメジャー / Aマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
淡々とした印象のマイナー系進行
用途:Aメロ(反復・淡々)
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
飾り気なく暗い印象の進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅰ・Ⅱm・Ⅲ7(Am・C・Dm・E7)
ポイント
- 派手な動きがなく 淡々としたマイナー系進行。Ⅵm・Ⅰ・Ⅱm は基本に忠実な ダイアトニックコードを繋ぐ 形。
- 上昇していく形なので少しの高揚感はあるが、飾り気がなくあっさりした印象。
- 最後の Ⅲ7 は Ⅵm へ戻れる二次ドミナント(Ⅲ7=Ⅴ7/Ⅵm, E7→Am)なので、何度も繰り返して使える。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅰ-Ⅱm-Ⅲ7(Key=C実音は Am-C-Dm-E7)。ベースが A→C→D→E と 上昇 していく素直なダイアトニック進行。派手さがない分、淡々とした地の色になる。
- 締めの Ⅲ7(E7)は Ⅵm への二次ドミナント。ダイアトニックなら Ⅲm(Em) のところをメジャー化して牽引を付け、頭 Ⅵm へループさせる。
- No.76 と対:頭 Ⅵm-Ⅰ は共通だが、No.75 は3つ目が Ⅱm(ダイアトニック) で淡々、No.76 は Ⅱ(借用メジャー) で豪快。同じく Ⅲ7 でループする姉妹進行。
参考曲
- 「月のワルツ」(諫山実生)|Aメロ(D♭メジャー / B♭マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
荒々しく豪快なロック風進行
用途:サビ・イントロ(ロック)
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シンプルで荒々しい印象のロック風進行
原本の具体例:Ⅵm・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ7(Am・C・D・E7)
ポイント
- シンプルで豪快な進行。Ⅵm からコードが上がり続ける ので強い高揚感がある。
- 3つ目の Ⅱ(D)は同主調からの借用コード で、ちょっとしたアクセント。続く Ⅲ7 が少し明るくポジティブなので、それほど暗さを感じない。
- 最後の Ⅲ7 は Ⅵm へ戻る二次ドミナント(E7→Am)なので、何度も繰り返せる。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ7(Key=C実音は Am-C-D-E7)。ベース A→C→D→E の上昇は No.75 と同じだが、3つ目を Ⅱm(Dm) ではなく Ⅱ(D、借用メジャー) にして豪快さ・明るさを足したロック版。
- 非ダイアトニックの D(Ⅱ)が中盤のアクセント、締め Ⅲ7=Ⅴ7/Ⅵm で頭へ牽引ループ。マイナーは頭の Ⅵm だけなので全体は意外と暗くない。
- No.75 と対(Ⅱm=淡々/Ⅱ=豪快)。Ⅰ始まりの豪快系 No.18 とも近縁。
参考曲
- 「じゃがいも」(とんねるず)|サビ(Gメジャー / Eマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
エネルギッシュなロック風進行
用途:サビ(ロック)
キーを選ぶと具体音を表示します。
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高揚感とエネルギッシュさをもつロック風進行
原本の具体例:Ⅵm・Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅴ(Am・C・D・F・G)
ポイント
- ロックが映えるエネルギッシュな進行。前半 Ⅵm・Ⅰ・Ⅱ と上がっていく 動きが高揚感にあふれ、ワイルドな印象。
- 後半の Ⅳ・Ⅴ は定石通りに動かない(Ⅴで解決しない)ロック的な進行で、少し意外だが不思議と納得させられる力強さがある。
- マイナーは頭の Ⅵm だけ なのに、全体がクールでカッコよくまとまる。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅰ-Ⅱ-Ⅳ-Ⅴ(Key=C実音は Am-C-D-F-G)。前半 Ⅵm-Ⅰ-Ⅱ は No.76 と同じ上昇借用(Ⅱ=D)だが、締めを Ⅲ7 でなく Ⅳ-Ⅴ に伸ばした版。Ⅴで終わって解決しないぶんロック的な推進力が続く。
- Ⅱ(D)→Ⅳ(F) は非ダイアトニック→ダイアトニックの意外な繋ぎ、Ⅳ-Ⅴ も強進行を避けた“変進行”寄り。この収まりの悪さがエネルギーになる。
- No.76 の発展形(Ⅲ7止め→Ⅳ-Ⅴ止め)。No.75/No.76/No.77 は Ⅵm-Ⅰ 始まりの上昇3兄弟。
参考曲
- 「タマシイレボリューション」(Superfly)|サビ(Aメジャー / F#マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
切なくも美しい定番マイナー進行
用途:サビ(歌謡曲・情感)
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歌謡曲っぽい切なさと美しさをもつ進行/同じ形のメロディを繰り返すのに向いている
原本の具体例:Ⅵm・Ⅱm・Ⅴ・Ⅰ・Ⅳ・Ⅶm(♭5)・Ⅲ7・Ⅵm(Am・Dm・G・C・F・Bm(♭5)・E7・Am)
ポイント
- 「No.69『小室進行』の歌謡曲風バージョン」の後に 更に展開を加えた 進行。切なくも美しい、情感あふれる雰囲気を出せる。
- 常に4度上のコードに動く(Am→Dm→G→C→F→Bm(♭5)→E7→Am)ため次のコードが予想しやすく、初見でも「なんとなく聴いたことがある感」が出せる。
- 同じ形のメロディがだんだん下がっていく形を繰り返すと、歌謡曲っぽい雰囲気になる。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅶm(♭5)-Ⅲ7(-Ⅵm)(Key=C実音は Am-Dm-G-C-F-Bm♭5-E7-Am)。全コードが 完全4度上(=5度下)へ進む循環=5度圏(サークル・オブ・フィフス) の連鎖。ルートが A→D→G→C→F→B→E→A と綺麗に降りる。
- 前半 Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ は No.69 のツーファイブワンそのもの。そこへ Ⅳ-Ⅶm(♭5)-Ⅲ7 を継ぎ足し、ハーフディミニッシュ→Ⅲ7=Ⅴ7/Ⅵm で頭 Ⅵm へ戻す。Bm(♭5)-E7-Am は Aマイナーのマイナー・ツーファイブワン。
- 4度進行が連続するので次が予測でき「聴き覚え」感が出る=Fly Me to the Moon 的な普遍性。No.69 の“発展・完成形”として似ている進行に挙げられる。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ファンキーでチャラい印象の進行
用途:イントロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
テンション高めな曲に合う進行/マイナー始まりだが暗くない
原本の具体例:Ⅵm・Ⅱ・Ⅵm(Am・D・Am)
ポイント
- Ⅵm(Am)から始まるのに暗くない。鍵は Ⅱ=Dメジャー(本来の Ⅱm=Dm を長三和音化)。ファンキーで派手な手触りになる。
- この Ⅱ は解決先の Ⅴ(G) へ進まない=二次ドミナントとしてではなく、単に Ⅱm を明るく変えたコードとして扱う。
分析メモ
- Ⅵm-Ⅱ(Key=C実音 Am-D)。Ⅱ の第3音 F♯(Dの長3度)がリディアン的な明るさを差し、短調始まりの暗さを打ち消す。ドリアン/ミクソリディア的なファンク感。
- Ⅱ を Ⅴ へ解決させない“非機能的”な使い方がミソ。Ⅵm と Ⅱ を往復させるだけでアゲアゲなループになる(参考曲も Ⅵm⇄Ⅱ/Ⅴ の往復)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
「カノン進行」のマイナーバージョン
用途:サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
「カノン進行」をそのまま暗くしたような雰囲気/派生バリエーションが非常に多い
原本の具体例:Ⅵm・Ⅴ・Ⅳ・Ⅲm・Ⅱm・Ⅰ・Ⅶ7・Ⅲ7(Am・G・F・Em・Dm・C・B7・E7)
ポイント
- ベースが A→G→F→E→D→C と全音で下り続ける(No.6「カノン進行」の短調・下降版)。沈み込むどんよりした情感。
- 末尾 Ⅶ7→Ⅲ7(B7→E7) は二次ドミナントの連鎖で、頭の Ⅵm へ強く巻き戻す。臨時記号が多いのでメロディ付けに注意。
分析メモ
- カノン進行 Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ を Ⅵm 起点に並べ替え+短調化した骨格。ダイアトニックの全音下降で悲哀を出し、締めの B7→E7→Am(Ⅶ7=V/Ⅲ → Ⅲ7=V/Ⅵm)で解決の推進力を足す。
- そのままの形で使われることは少なく派生が非常に多い。No.81 以降の退廃系はこの“下降ベース+二次ドミナント巻き戻し”の圧縮・発展形と捉えると整理しやすい。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ダークで退廃的な雰囲気を感じる進行
用途:サビ
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徐々に音が下がっていくダークで中毒性が高い進行/何度も繰り返して使用できる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅴ・Ⅳ・Ⅲ7(Am・G・F・E7)
ポイント
- Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ と沈み込み、締めの Ⅲ7(E7)=Ⅴ7/Ⅵm で頭へ戻る。「Habit」(SEKAI NO OWARI) の中毒性の正体。
- 下降コードに合わせてメロディも下げると退廃感が増す。何度でも繰り返せる。
分析メモ
- No.80 のカノン下降を4和音に凝縮した形。退廃感の核は Ⅳ(F) の後に Ⅴ でなく Ⅲ7(E7) が来る点=ダイアトニックの解決(Ⅴ→Ⅰ)を避け、Ⅵm へ半終止的に戻り続けるので出口がない=中毒性。
- No.66(Ⅵm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅲ7)と同じ「Ⅲ7 で巻き戻す」発想だが、こちらは Ⅴ を経由するぶん下降の推進が強い。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
闇に引きずり込まれるような妖しい進行
用途:イントロ・サビ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
徐々にベースラインだけが下がっていく進行/妖しげで緊張感がある
原本の具体例:Ⅵm・Ⅵm7/Ⅴ・♯Ⅳm7(♭5)・Ⅳ(Am・Am7/G・F♯m7(♭5)・F)
ポイント
- 構成音の似たコードを連ねつつ ベースが A→G→F♯→F と半音下降。闇に引きずり込まれる妖しさ。
- 3つ目の ♯Ⅳm7(♭5) の下がりきらない緊張感が特徴。同型コードの連続でリフ反復(「覚醒」Superfly)に向く。
分析メモ
- 実体は Ⅵm を保持したままベースだけ半音下降させるベースラインクリシェの変種。上物はほぼ Am のまま、ベース A-G-F♯-F が独立して歩く。
- ♯Ⅳm7(♭5)=F♯ハーフディミニッシュはドリアンの♯4由来の緊張。Ⅳ(F) の後に二次ドミナント Ⅲ7(E7) を足して Ⅵm へ戻す拡張形もよく使われる。
参考曲
- 「覚醒」(Superfly)|イントロ(E♭メジャー / Cマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
胸が締め付けられるような想いを歌う進行
用途:サビ
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強い暗さを感じる特徴的な響き/ベースが半音ずつ下がっていく「ベースラインクリシェ」
原本の具体例:Ⅵm・Ⅵm△7/♯Ⅴ・Ⅵm7/Ⅴ・Ⅵm6/♯Ⅳ(Am・Am△7/G♯・Am7/G・Am6/F♯)
ポイント
- Am を鳴らしたままベースだけ A→G♯→G→F♯ と半音下降させる定番のラインクリシェ。上物は Ⅵm 固定でベースが歌う。
- コード表記は複雑だが実演奏はトップを保持しベースを下げるだけ。優しい曲調→切ない曲調への転換(「糸」中島みゆき)に多用。
分析メモ
- マイナー・ラインクリシェの教科書形。Ⅵm→Ⅵm△7→Ⅵm7→Ⅵm6 という表記は、和音の内声(G♯→G→F♯)がベースの半音下降 A-G♯-G-F♯ と平行に降りていくことを示す。強い哀切。
- No.84 と対(どちらもベースラインクリシェ)。No.83 は Ⅵm を保持、No.84 はコード自体が Ⅵm→Ⅲ→Ⅰ→Ⅱ と変わりながらベースだけ下降する発展形。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
強い切なさと僅かな希望を感じる進行
用途:イントロ・サビ
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ベースが半音ずつ下がっていく「ベースラインクリシェ」/複雑な感情が入り混じる情緒的な進行
原本の具体例:Ⅵm・Ⅲ/♯Ⅴ・Ⅰ/Ⅴ・Ⅱ/♯Ⅳ(Am・E/G♯・C/G・D/F♯)
ポイント
- ベース A→G♯→G→F♯ の半音下降クリシェだが、上のコードは Ⅵm→Ⅲ→Ⅰ→Ⅱ と実際に動く。
- Ⅵm→Ⅲ/♯Ⅴ で強い切なさ、Ⅰ/Ⅴ→Ⅱ/♯Ⅳ で僅かな希望。相反する情感が同居。「Stairway to Heaven」で有名。
分析メモ
- No.83 の“ベース固定でコード固定”に対し、こちらはベース半音下降に別のコードを載せ替える。Ⅲ/♯Ⅴ(E/G♯) は Ⅵm への二次ドミナント E(V/Ⅵm) を第3音ベースで、Ⅱ/♯Ⅳ(D/F♯) は Ⅱ(=V/Ⅴ) を第3音ベースで置く=機能和声とベースラインの二重構造。
- 後続はベースがそのまま下降を続けて Ⅳ 等へ進むことが多い。No.83・No.85 と同族(ラインクリシェ三兄弟)。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
浮遊感と不思議さを感じる進行
用途:Bメロ
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分数コード中心の独特な進行/複雑な印象を与えることができる
原本の具体例:Ⅵm・Ⅳm/♭Ⅵ・Ⅰ/Ⅴ・Ⅱ/♯Ⅳ(Am・Fm/A♭・C/G・D/F♯)
ポイント
- 分数コード中心で浮遊感・不思議さ・切なさが混在。2つ目 Ⅳm/♭Ⅵ(Fm/A♭)=サブドミナントマイナーの転回形という珍しい響きが意外性の核。
- Ⅵm→Ⅳm/♭Ⅵ の並びはほぼ使われない形=強い意外性。♯Ⅳ の後は Ⅰ や Ⅴ へ進めると収まる。
分析メモ
- No.84 の Ⅲ/♯Ⅴ を Ⅳm/♭Ⅵ(サブドミナントマイナー Fm の第3音ベース) に差し替えた変種。A♭ の半音(♭Ⅵ)がベースに入ることで調性が一瞬ぼやけ、浮遊感が出る。ベースは A-A♭-G-F♯ の半音下降。
- サブドミナントマイナーの転回という珍しい使い方が“不思議さ”の正体。No.83・84 のラインクリシェ系にサブドミナントマイナーの色を混ぜた発展形。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
一瞬の必殺技のように使える進行
用途:サビ
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サビの中間あたりで使用されやすい必殺技的な進行/アレンジ次第で派手なギミックになる
原本の具体例:Ⅵm・♯Ⅴm・Ⅴm(Am・G♯m・Gm)
ポイント
- 同じマイナーの形のまま平行に半音ずつ下降(Am→G♯m→Gm)。サビ中間で短く差し込む“必殺技”的な使い方が多い。
- Ⅴm の次は Ⅰ7・Ⅳ や ♯Ⅳm7(♭5)・Ⅳ などへ繋ぐ。アレンジ次第で派手なギミックに。
分析メモ
- 平行短三和音のクロマティック下降(Ⅵm-♯Ⅴm-Ⅴm)。機能和声を無視した色彩的パッセージで、Ⅴm(Gm) はサブドミナントマイナー的にも響く。単体では成立せず“通過”として使う。
- 参考曲はいずれもサビ終盤で Ⅵm7-♯Ⅴm7-Ⅴm7-Ⅰ(7) と下って Ⅰ へ着地。短い挿入で強い変化を演出する装飾進行。No.87 の上昇と上下で対。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
マイナーコードから強引に上がっていく進行
用途:サビ・Aメロ
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強引に上昇していく進行/借用コードが多いが説得力がある
原本の具体例:Ⅵm・Ⅶm・Ⅰ・Ⅱ(Am・Bm・C・D)
ポイント
- Ⅵm→Ⅶm→Ⅰ→Ⅱ と順次上昇。Ⅶm(Bm) と Ⅱ(D) は借用コードだが違和感なく説得力がある。
- 順次進行で意外性は小さいが、上昇形ゆえ高揚感が強く派手な場面に向く。ストレートなアレンジが映える。
分析メモ
- 全音上行のベース A-B-C-D に三和音を積む上昇進行。Ⅶm(Bm) は本来ロクリアンの減三和音を短三和音に、Ⅱ(D) は Ⅱm を長三和音にした借用で、いずれも上行の勢いに溶けて違和感が出ない。
- No.86 の下降クロマティックと上下で対をなす。高揚を作りたいサビ・Aメロで有効。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ドロドロした妖しさを感じる進行
用途:サビ
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インパクトが強いダークで妖しい進行/唐突なⅦ7の響きが特徴的
原本の具体例:Ⅵm・Ⅶ7・Ⅲ7・Ⅵm(Am・B7・E7・Am)
ポイント
- 妖しい呪文のような響き。最大の特徴は唐突な Ⅶ7(B7)。Ⅶ7→Ⅲ7(B7→E7) の二次ドミナント連鎖(ダブルドミナント)が強烈な暗さを生む。
- インパクトが強いぶん飽きられやすい。途中から別進行へ逃がす工夫があると良い。
分析メモ
- Ⅵm を仮のトニックと見た二重の借用ドミナント。E7=Ⅲ7 は V7/Ⅵm、B7=Ⅶ7 はさらにその V7/(E7)=ダブルドミナント。B7→E7→Am と applied dominant が連鎖して Ⅵm へ雪崩れ込む。
- No.89・No.90 と並ぶ“妖しい系”。No.88 は和声機能(ドミナント連鎖)で、No.89 はペダルポイントで、No.90 は半音移動で、と妖しさの作り方が三者三様。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
強烈な妖しさと緊張感をあわせもつ進行
用途:サビ・Aメロ
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解説を読む
あまり使わないコードの連続と「ベースペダルポイント」によって強い妖しさと緊張感をもつ
原本の具体例:Ⅵm・Ⅶ7/Ⅵ・Ⅶm7(♭5)/Ⅵ・Ⅵm(Am・B7/A・Bm7(♭5)/A・Am)
ポイント
- 進行全体でベースが Ⅵ(A)に固定される「ベースペダルポイント」。上でコードだけが動くことで強い緊張感を生む。
- Ⅶm7(♭5) など使用頻度の低い妖しい響きが続き、普段聴けない独特な雰囲気になる。
分析メモ
- ベースを Ⅵ(A) に据え置いたままトップに B7・Bm7(♭5) を載せるペダルポイント。動く上物と動かない低音の摩擦が緊張の源。B7/A→Bm7(♭5)/A は長→短(♭5)への陰りで妖しさが増す。
- No.88 が和声機能で妖しさを作るのに対し、No.89 は低音固定という別手段で同じ“妖しさ”に到達する。タンゴ(Libertango)との相性が良い。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
不気味にうごめく妖しい進行
用途:Bメロ
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解説を読む
半音の移動が妖しい進行/繰り返し使用すると更に妖しさアップ
原本の具体例:Ⅵm・♭Ⅶ(Am・B♭)
ポイント
- 暗い Ⅵm(Am)→半音上の ♭Ⅶ(B♭) へ移るだけのシンプルな2コード。行ったり来たりで妖しさが高まる。
- インパクトは強いが派手さは無いので使いどころ注意。♭Ⅶ は Ⅰ7/♭Ⅶ や ♭Ⅶm でも似た雰囲気が出せる。
分析メモ
- Ⅵm と半音上の ♭Ⅶ の往復。♭Ⅶ(B♭) はフリジアン的な半音上行で、ダイアトニックにない不安定さがゾワゾワ感を作る。2コードゆえメロディとリズムで表情を付ける。
- No.88・89 と同じ妖しい系だが、最小素材(2コードの半音移動)で不気味さを出す点が異なる。繰り返すほど催眠的。
参考曲
- 「Trust・Last」(倖田來未・湘南乃風)|Bメロ(F♯メジャー / D♯マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
爽やかでフレッシュなクリシェ
用途:イントロ
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コードの一部の音が変化していく「クリシェ」の一つ/爽やかでフレッシュな印象
原本の具体例:Ⅰsus4・Ⅰ・Ⅰsus2・Ⅰ(Csus4・C・Csus2・C)
ポイント
- Ⅰの上で
Ⅰsus4→Ⅰ→Ⅰsus2→Ⅰと一音だけを動かすクリシェ。Cメジャー/Aマイナースケールなら Csus4(ファ)→C(ミ)→Csus2(レ)→C(ミ) と、上の声部が 4th→3rd→2nd→3rd で揺れる。 - sus2はあまり使われないコードで、メジャーコードの3度(ミ)を2度(レ)に変化させたもの。sus4/sus2のフローティングした響きが爽やかでフレッシュな印象を生む。
- 明るめの曲向き。イントロで使われることが多く、歌のバックで使うことはあまり多くない(装飾的なので歌メロと当たりやすい)。
分析メモ
- 機能和声は動かないライン・クリシェ。根音はずっと Ⅰ(C) のまま、トップだけが F→E→D→E(4→3→2→3)で往復する。Csus4=C F G、C=C E G、Csus2=C D G。だから“進行”というよりⅠの装飾で、コード機能上は静止している=イントロやリフ向き。
- 肝はsus2。メジャー3度(ミ)を長2度(レ)へ引き上げた宙吊り和音で、3度が無いぶん明暗の色が抜けてフレッシュ/中性的に響く。sus4→Ⅰ の 4→3 解決に加え sus2→Ⅰ の 2→3 解決も混ぜることで、同じ Ⅰ の上で二方向の揺らぎを作っているのがこの手触りの正体。
- 「Black or White」は Ⅰ上で完結。「ひとりじゃない」(DEEN)は後半で同じ形をⅦ♭(G♭)へ平行移動(プレーニング)させ、Ⅰ→Ⅶ♭ の全音下降で場面を変える。クリシェを丸ごとスライドさせる応用例。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ささやかな感情を静かに歌う進行
用途:Aメロ・静かな場面
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
起伏が小さく静かな場面に向いている進行/やや切ない雰囲気に仕上がりやすい
原本の具体例:Ⅰ/Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm(C/E・F・G・Am)
ポイント
- 大きな起伏がなく静かな印象の進行。ベースが E→F→G→A と順次進行(なめらかな上行)になるため、ゆったりしてAメロなどの静かな場面に向く。
- メジャーコードが多い進行だが、最後の Ⅵm(Am)の印象が残りやすく、やや切ない雰囲気に仕上がることが多い。
- はじめの Ⅰ/Ⅲ(分数コード C/E)は Ⅲm(Em)と構成音が近く、Ⅲm の代用として使われることがある。
Ⅰ/Ⅲ→Ⅳはこの進行に限らず頻出のパーツなので覚えておきたい。
分析メモ
- Ⅰ/Ⅲ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅵm(Key=C実音は C/E-F-G-Am)。要はベースを E-F-G-A と一直線に順次上行させるための和声。Ⅰを第一転回形(Ⅰ/Ⅲ)にして頭のベースを E から始めることで、以降 F→G→A まで隣り合った音だけで登れる。この滑らかなベースラインが“静か・ささやか”の手触りの源。
- コードは Ⅰ Ⅳ Ⅴ とメジャー三和音が続くのに、締めが Ⅴ→Ⅵm の偽終止(G→Am)になるため、解決しきらず切なさが残る。No.65 系の Ⅴ→Ⅵm 偽終止と同じ仕掛けを、ここでは締めの余韻として使っている。
- 頭の Ⅰ/Ⅲ は Ⅲm(Em) の軽い代理:C/E=C E G と Em=E G B は E・G を共有し、ベースは同じ E。Ⅲm ほど暗くならず“メジャーのまま低音だけ Ⅲ”という中間色が出せる。参考3曲ともこの型を Aメロ/歌い出しの土台に使う。
参考曲
- 「スパークル」(RADWIMPS)|Aメロ(Bメジャー / G#マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ブルースの定形進行「ブルース形式」
用途:ブルース・ロックンロール・全体構成
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解説を読む
ブルースの基本的な形式(12小節)/様々な応用形がある
原本の具体例:Ⅰ7・Ⅰ7・Ⅳ7・Ⅰ7・Ⅴ7・Ⅰ7(C7・C7・F7・C7・G7・C7)
ポイント
- ブルースの基本形を「ブルース形式」と呼ぶ。12小節で構成され、
Ⅰ7-Ⅳ7-Ⅴ7(スリーコードをすべて7th化)で回すのが最も古典的な形。 - 使用コードは適宜、別のコードに差し替えられる(応用形が豊富)。近年ブルースというジャンルは影を潜めているが、その陽気で楽しげな雰囲気を応用した曲は今も作られている。
- 折り返し(11〜12小節目)を Ⅴ7 にすると「まだ続く」感が出て、Ⅰ7 で締めると落ち着く。ハードロック等では8小節ループに縮約されることもある。
分析メモ
- 12小節ブルース。Key=C実音は Ⅰ7=C7・Ⅳ7=F7・Ⅴ7=G7。肝はトニックまで7thにする(Ⅰ7)こと。通常 Ⅰ は長三和音だが、Ⅰ7 は ♭7(B♭)=キーに対する短7度を含み、これがメジャーとブルーノート(♭3/♭7)の摩擦を生む=ブルースの匂い。Ⅳ7・Ⅴ7 も同じくドミナント7thで、機能(T-S-D)は保ちつつ全部を“濁らせて”いる。
- 配置の定型:Ⅰ7×4 → Ⅳ7×2・Ⅰ7×2 → Ⅴ7・Ⅳ7・Ⅰ7・(Ⅴ7)。最後の1小節を Ⅴ7 にすると turnaround(回して続ける)、Ⅰ7 で終止。「Sugar Zone」は折り返し Ⅴ7 でループ感、対して定型締めは Ⅰ7。
- 応用:「Walk This Way」は Ⅰ7-Ⅳ7 だけを8小節ループに圧縮したロック版。ブルースの三コードのうち Ⅴ7 を省いても“ブルースらしさ”は Ⅰ7↔Ⅳ7 の7th往復だけで成立する好例。ジャンルの器というよりコード語彙のプリセットとして捉えるとよい。
参考曲
- 「Johnny B. Goode」(Chuck Berry)|サビ(B♭メジャー / Gマイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
切なく変化したツーファイブワン進行
用途:Bメロ終わり・サビ終わりのフック
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
ありきたりなツーファイブワンに変化を与えた形/少し切ない雰囲気
原本の具体例:Ⅱm7(♭5)・Ⅴ7・Ⅰ(Dm7(♭5)・G7・C)
ポイント
- よく使うツーファイブワン
Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰのはじめのコードを同主調からの借用 Ⅱm7(♭5) に変化させるテクニック。少し切ない雰囲気が漂う。 - 魅力的な響きだが、何度も登場させるとくどく感じるので、Bメロ終わり・サビ終わりなど“ここぞ”の場面のフックとして使うのが効果的。
- 終止としての力(Ⅴ7→Ⅰ)は保ったまま、頭に影を差す形なので、明るい曲にワンポイントの陰りを足したいときに向く。
分析メモ
- Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7-Ⅰ(Key=C実音は Dm7(♭5)-G7-C)。メジャーの2-5-1
Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ(Dm7-G7-C) の頭を、5度を半音下げた Ⅱm7(♭5)=Dm7♭5 (D F A♭ C) に差し替えた形。A♭ は同主短調(Cマイナー)から借りた♭6で、これが“切なさ”の一滴。 - なぜ切ないか:Ⅱm7(♭5) はマイナーキーの iiø7(トニック・マイナーへ向かう2-5の頭)そのもの。メジャーの2-5-1にマイナーの気配だけを混ぜるので、行き先はⅠメジャーで明るいのに、入り口だけ短調の翳りが差す。Ⅴ7→Ⅰ の解決力は不変なので終止感は損なわれない。
- 使い所は phrase の締め(Bメロ/サビ終わり)に限定するのがコツ。連発すると♭5の緊張が飽和して“くどい”=params 使いやすさ2 の理由。No.65 のような Ⅵm 始まりの暗さと違い、こちらは着地寸前でだけ陰るタイプのフック。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
深い優しさを感じさせる進行
用途:転調感・切ないAメロ/Bメロ
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
切ないが優しさを感じる不思議な響き/転調感が強い
原本の具体例:Ⅲm7(♭5)・Ⅵ7・Ⅱm(Em7(♭5)・A7・Dm)
ポイント
- 切ない響きをもちつつ、独特な深い優しさも感じられる進行。転調感が強く、曲に変化を与えられる。
Ⅲm7(♭5)・Ⅵ7の部分は下属調からの借用ツーファイブ(Ⅱm=Dm へ向かう 2-5)。サンプル曲のように、臨時的に♭させた音をメロディに入れるのもおすすめ。- 「あなた」(小坂明子)のように、この先をサブドミナントマイナー(Ⅳm系)へ繋げる使い方もある。
分析メモ
- Ⅲm7(♭5)-Ⅵ7-Ⅱm(Key=C実音は Em7(♭5)-A7-Dm)。これは Ⅱm(Dm) を仮のトニックとみなした短調の2-5-1:Dマイナー内で Em7♭5=iiø7、A7=V7、Dm=i。C の外にある C#(A7の3rd=Dmへの導音) や A♭(Em7♭5の♭5) が入るので、耳が一瞬 Dマイナーへ転調したように感じる=“転調感が強い”の正体。
- “優しさ”の出所:Ⅵ7(A7) は Ⅱm へのセカンダリードミナント(Ⅴ7/Ⅱm)で、導音 C# が Dm へ吸い込まれる強い引力を持つ。その手前の Ⅲm7(♭5) が半減和音の柔らかい緊張を敷くため、切なさ(♭5)と解決の温かさ(Ⅵ7→Ⅱm)が同居する。
- No.94 が“メジャーの2-5-1の頭だけ♭5”でⅠに帰るのに対し、No.95 は行き先自体をⅡmにずらした丸ごとの借用2-5。だから No.94=陰りのある終止、No.95=転調の入口、と役割が違う。書籍推奨どおり続きを Ⅳm(サブドミナントマイナー)に繋ぐと更に翳りが深まる。
参考曲
- 「あなた」(小坂明子)|Aメロ(D♭メジャー / B♭マイナースケール)(Obsidian文書にリンクなし)
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ダークな緊張感を与える進行
用途:Bメロ終わり・サビ終わりの必殺技
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
インパクトが強い必殺技的進行/Bメロ終わりやサビ終わりで使われることが多い
原本の具体例:Ⅲ7(#9)・Ⅲ7(♭9)(E7(#9)・E7(♭9))
ポイント
- 暗い展開を予感させる、緊張感のある進行。Cメジャー/Aマイナースケールの場合、E7 の (#9)テンションはソ、(♭9)テンションはファを指すため、ソ→ファというメロディラインが進行に含まれる形になる。
- Bメロ終わり・サビ終わりなどで、必殺技のように使われることが多い。インパクト重視のワンショット。
- この進行の後は Ⅵm(Am)などへ進むのが定石。緊張を溜めて短調側へ落とす。
分析メモ
- Ⅲ7(#9)-Ⅲ7(♭9)(Key=C実音は E7(#9)-E7(♭9))。土台の Ⅲ7(E7) は Ⅵm への セカンダリードミナント(Ⅴ7/Ⅵm)。E7 は既に G#(3rd=Am への導音) と D(♭7) を持ち、そこへ上のテンションだけを #9→♭9 と差し替えるのがこの進行の全体。
- #9(=ソ/G♮) と ♭9(=ファ/F) はどちらもCメジャーのダイアトニック音。だから E7 という強い外圧和音の上で、トップだけが G→F(ソ→ファ)と半音下降する。ドミナントを解決させずに引き伸ばし、その上でテンションを暗い方へずらすので“今にも落ちそう”なダーク×派手(params 暗さ5/派手さ4)が生まれる。
- No.64 系の素の Ⅲ7(Ⅵm へ巻き戻すセカンダリードミナント)を、テンション付きで二段構えにした強化版。単発の必殺技として置き、直後は Ⅵm(Am) へ落とすと緊張が回収される。参考2曲とも最終着地の直前バーに配置。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
ブルージーでワルいイメージの進行
用途:ブルージー・丸の内進行の変化形
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
独特なワルい印象の進行/「丸の内進行」に変化を与えるときにも使える
原本の具体例:Ⅳ7・Ⅲ7・Ⅵm(F7・E7・Am)
ポイント
- 独特なブルージーさをもつ進行。あまり見ない Ⅳ7 はブルース3コードからの借用。
Ⅳ7→Ⅲ7の動きはダークでワルい印象の響きで、この進行でしか出せない雰囲気がある。 - 「丸の内進行」系(Ⅳ△7-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅰ7)の動きに似ているので、丸の内の繰り返しに変化を与えるときに差し込むと効果的。
- 着地が Ⅰ ではなく Ⅵm なので、明るく解決せず“ワル”の余韻が残る。
分析メモ
- Ⅳ7-Ⅲ7-Ⅵm(Key=C実音は F7-E7-Am)。丸の内進行(Ⅳ△7-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅰ7)の頭 Ⅳ を ブルース由来の Ⅳ7(F7) に濁らせた変種。F7=F A C E♭ で、♭7 の E♭ はキーCに対する♭3(ブルーノート)。長調の中に短3度が滲む=“ブルージー/ワル”の匂いの本体。
- Ⅲ7(E7) は Ⅵm への セカンダリードミナント(Ⅴ7/Ⅵm)。ベースは F→E→A、うち F7→E7 は半音下降するドミナント同士の並びで、Ⅲ7 の導音 G#(→A) が Ⅵm へ強く落ちる。丸の内が Ⅰ7 で明るく回るのに対し、こちらは Ⅵm 止まりで短調側に沈むのが“ワルい”所以。
- 使いやすさ5=丸の内の器にそのまま差せる互換性の高さ。丸の内ループのマンネリを崩す1手として、Ⅳ△7 のバーを Ⅳ7 に、締めを Ⅰ7→Ⅵm に振り替えるだけで一気にブルージーになる。「Venus」はサビ中で C7→B7→Em(=Ⅳ7-Ⅲ7-Ⅵm) が炸裂する典型例。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
意外なコードから始まる穏やかな進行
用途:意外性・イントロ/Bメロ・王道/小室からの派生
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
珍しいコードから始まる一風変わった進行/定番の進行からの流れで使うこともある
原本の具体例:Ⅳ#m7(♭5)・Ⅳm・Ⅲm(F#m7(♭5)・Fm・Em)
ポイント
- Ⅳ#m7(♭5) から始まる珍しい進行。「No.59 あらゆる個性的な派生パターンに繋がる進行」(Ⅳ-Ⅳm-Ⅲm)に形も使われ方も似るが、コードが複雑な分やや奇抜な印象になる。
- Ⅳ#m7(♭5) は Ⅳ△7 や Ⅵm と形(構成音)が似ているため、これらから始まる「J-POP王道進行」や「小室進行」からの流れで差し込まれることがある。
- 頭の意外性が肝で、その後は Ⅳm→Ⅲm と穏やかに半音で下るので、全体としては落ち着いた仕上がり。
分析メモ
- Ⅳ#m7(♭5)-Ⅳm-Ⅲm(Key=C実音は F#m7(♭5)-Fm-Em)。ベースが F#→F→E と半音で下る。No.59(Ⅳ-Ⅳm-Ⅲm=F-Fm-Em)の頭 Ⅳ を、半音上の Ⅳ#m7(♭5)=F#m7♭5 (F# A C E) に差し替えた形。
- なぜ“Ⅳ△7 や Ⅵm と似て聞こえる”か:F#m7♭5(F# A C E) は Ⅳ△7=F△7(F A C E) と A・C・E の3音を共有(違いは根音 F/F# だけ)=ほぼ Ⅳ△7 の転回。同時に Ⅵm7=Am7(A C E G) とも A・C・E を共有する。だから王道進行(Ⅳ始まり)や小室進行(Ⅵm始まり)の“頭のつもり”でスッと入れられるのに、実際は半減和音の緊張が乗る=意外性(奇抜さ5)。
- 半減和音を先頭に据えるのは耳慣れず使いやすさ1だが、直後を Ⅳm→Ⅲm と No.59 同様の SDmクリシェで受けるので着地は穏やか。No.59 が“素直な Ⅳ 始まり”なのに対し、No.98 は同じ下降形をよりスパイシーな入口にした上位互換版と捉えるとよい。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
神聖さを感じさせる進行
用途:サビ終わり・エンディングの終止
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
少し引っ張ってから行う「ピカルディ終止」/場面の終わりで使うことが多い
原本の具体例:Ⅵsus4・Ⅵ(Asus4・A)
ポイント
- Ⅵsus4 をクッションにして Ⅵ(メジャー)へ移動する「ピカルディ終止」(41ページ参照)。直接 Ⅵ に移るより期待感が大きく、美しく神聖な雰囲気に仕上がる。
- 区切りをつける効果が強い進行なので、基本は場面の終わりで使用。サビ終わり・エンディングで使うことも非常に多い。
- 暗く切ない曲でも、この進行をラストに持ってくると少し希望をもたせて終われる(短調→長調の反転)。
分析メモ
- Ⅵsus4-Ⅵ(Key=C実音は Asus4-A)。この書き方(Key=C)では Ⅵ 上のできごとに見えるが、実体は相対短調 Ⅵm(Am) を主役とみた曲の“主和音のピカルディ化”。参考3曲とも各曲の平行短調で書かれ、最後だけ短調主和音を長三和音にして締める(例:F#m の曲を F# major で終える)=短3度→長3度の反転=ピカルディ終止。
- sus4 の役割:Asus4(A D E)→A(A C# E) で、4th(D) が一旦宙吊りになってから 3rd(C#) へ解決する。この“ため”が直接 Ⅵ に行くより期待感を膨らませ、続く長3度(C#)の出現を一段まぶしくする。4→3 の解決音 C# は同時に Am→A のピカルディの当事者音でもあり、二重の効き目。
- 同じ“希望で終わる”でも No.100(♭Ⅵ-♭Ⅶ-Ⅰ) は長調のⅠへ上昇して締めるのに対し、No.99 は短調の主和音を明るく塗り替えて締める。前者は開放的な高揚、後者は神聖・厳かな救い。暗い曲のラストに置くと“少しの希望”を残せるのはこの短→長の反転ゆえ。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
強い希望を抱いて突き進んでいくような進行
用途:サビ終わり・エンディングのクライマックス
キーを選ぶと具体音を表示します。
解説を読む
同主調からの借用コードを利用した進行/希望や未来的な雰囲気を感じさせる
原本の具体例:Ⅵ♭・Ⅶ♭・Ⅰ(A♭・B♭・C)
ポイント
- 強い希望や未来的な雰囲気を感じさせる進行。サビ終わりなどの重要な場面で使われることが多く、誰でも一度は聴いたことがあるはず。
- Ⅵ♭・Ⅶ♭ はどちらも同主調(Cマイナー)からの借用コード。ダイアトニック外の音を含むので、メロディの付け方には注意(自然な3度/7度とぶつけない)。
- 使いやすく人気も高い、必ず覚えておきたい定番のクライマックス終止。
分析メモ
- Ⅵ♭-Ⅶ♭-Ⅰ(Key=C実音は A♭-B♭-C)。Ⅵ♭(A♭) も Ⅶ♭(B♭) も同主短調(Cマイナー)からの借用で、これは俗にいう ♭VI-♭VII-I(エオリアン/ミクソリディアン・ケーデンス)。ロックの Ⅶ♭→Ⅰ 終止に一段(Ⅵ♭)足した形で、ベースが A♭→B♭→C と全音ずつ登って Ⅰ に到達する。この上行の勢いが“突き進む希望”の推進力。
- 借用の中身:A♭=A♭ C E♭、B♭=B♭ D F。ここに含まれる E♭(♭3) が長調メロディの E(♮3) と衝突しやすいため、書籍が言う“メロディの付け方に注意”になる。逆にメロが借用音側に寄り添えば、長調の明るさに短調由来の厚み(未来的な色)が乗る。
- No.99 と対の“希望で終わる”終止:No.99 は短調主和音を明るくするピカルディで神聖に締めるのに対し、No.100 は長調のⅠへ全音上行で突き上げる開放的なクライマックス(params 明るさ5/暗さ1)。アニソン/J-POPのサビ締めの大定番で、Butter-Fly の C→D→E、未来予想図の D→E→F# がまさにこの形。
参考曲
自動生成譜例(コードの根音)。原曲の旋律譜ではありません。
5度圏
外側が長調、内側が平行調の短調。ノードを押すと主音を鳴らせます。
鍵盤
C3〜B4の2オクターブ。実際に鳴る絶対音高だけが点灯します。
出典メモ:ongoing/音楽/音楽理論/おざしんミュージック/コード進行100/コード進行100 インデックス.md